名古屋グランパスの目標残留ラインを考える

こんにちは。

今日は、ちょっと思い立ったので、標題について、あれこれ調べてみました。

具体的には、過去10年の結果を基に、以下の2点について検証します。

①残留ラインの平均

②15位チームの、14節終了時点での勝ち点の平均

 

①、②を基に、名古屋グランパスの現状に照らし合わせながら、今後の展望について考えてみることにします。

 

まず、以下が過去10年の15位〜18位のチームと、勝ち点です。

 

 

2008

15位 ジェフ千葉    38

16位 ジュビロ磐田   37

17位 東京ヴェルディ  37

18位 コンサドーレ札幌 19

 

2009

15位 モンテディオ山形 39

16位 柏レイソル    34

17位 大分トリニータ  30

18位 ジェフ千葉    27

 

2010

15位 ヴィッセル神戸  38

16位 FC東京       36

17位 京都サンガ    19

18位 湘南ベルマーレ  16

 

2011

15位 浦和レッズ     36

16位 ヴァンフォーレ甲府 33

17位 アビスパ福岡    22

18位 モンテディオ山形  21

 

2012

15位 アルビレックス新潟 40

16位 ヴィッセル神戸   39

17位 ガンバ大阪     38

18位 コンサドーレ札幌  14

 

2013

15位 ヴァンフォーレ甲府 37

16位 湘南ベルマーレ   25

17位 ジュビロ磐田    23

18位 大分トリニータ   14

 

2014

15位 清水エスパルス   36

16位 大宮アルディージャ 35

17位 セレッソ大阪    31

18位 徳島ヴォルティス  14

 

2015(年間順位)

15位 アルビレックス新潟 34

16位 松本山雅FC      28

17位 清水エスパルス   25

18位 モンテディオ山形  24

 

2016(年間順位)

15位 アルビレックス新潟 30

16位 名古屋グランパス  30

17位 湘南ベルマーレ   27

18位 アビスパ福岡    19

 

2017

15位 サンフレッチェ広島 33

16位 ヴァンフォーレ甲府 32

17位 アルビレックス新潟 28

18位 大宮アルディージャ 25

 

①残留ライン

平均値:36.1

中央値:36.5

最高値:40

最低値:30

標準偏差:約2.9(2.879236…)

まとめると、過去10年のうち、

ほとんどの年の残留ラインは約33〜39の間に位置しており

平均値や中央値は約36〜37ということです。

ですので、今回は残留ラインを「36」として、見ていきたいと思います。

 

②15位チームの14節終了時点での勝ち点

2008年 ジェフ千葉     勝ち点9(18位)

2009年 モンテディオ山形  勝ち点16(15位)

2010年 ヴィッセル神戸   勝ち点15(14位)

2011年 浦和レッズ     勝ち点13(15位)

2012年 アルビレックス新潟 勝ち点12(16位)

2013年 ヴァンフォーレ甲府 勝ち点14(14位)

2014年 清水エスパルス   勝ち点18(12位)

2015年 アルビレックス新潟 勝ち点10(18位)

2016年 アルビレックス新潟 勝ち点11(16位)

2017年 サンフレッチェ広島 勝ち点10(16位)

 

平均値:12.8

中央値:12.5

最高値:18

最低値:9

標準偏差:約2.8(2.7856...)

まとめると、第14節時点での残留チームの平均勝ち点は約13で、ほとんどのチームが10〜16あたりに位置していたということです。

 

①と②をまとめると、残留ラインの目安として

第14節時点 12〜13

第34節時点 36〜37

だろうと考えられます。

 

現在の名古屋グランパスですが

第14節終了時点で、勝ち点が9と、基準に対して1、2試合下回っています。

ちなみに残留ラインにいる横浜F・マリノスが、14なので、例年通りですと、高い確率で残留ができそうだという見方になります。

 

つまり、過去の傾向と照らし合わせると、残留ラインの目安までは、1試合分勝利が足りていないということです。

更に、15位の横浜F・マリノスと16位のガンバ大阪が同じ勝ち点14ですので、非常に厳しい状況だということがわかりますね。

 

【今後の展望】

今のペースですと、34節終了時点での勝ち点は単純計算で約22と、過去10年での最低ラインである勝ち点30にも到底届きません。

数字としては、残留の目安である勝ち点36を目指すためには、残り20試合で勝ち点27欲しいです。

パターンとしては

9勝11敗

8勝3分9敗

7勝6分7敗

6勝9分5敗

5勝12分3敗

4勝15分1敗

の6パターンです。

 

過去の残留ラインからの遅れ1、2試合というのは、数字以上に遅れているということが分かるかと思います。つまり、残り20試合で、現時点までの遅れを取り戻すには、6ポイントゲームをいかに多く取っていくかということが大切になります。

このペースでは、引き分けではダメなのです。

過去の傾向と現在の順位を照らし合わせると、残留争いをすることが予想されるチームは、広く見て以下の7チームになると予想します。

サガン鳥栖

ガンバ大阪

横浜F・マリノス

湘南ベルマーレ

浦和レッズ

V・ファーレン長崎

柏レイソル

このうち、既にリーグ戦で1試合戦っているのはサガン、ガンバ、マリノスベルマーレV・ファーレンの5チームですね。

何が言いたいか。

次節の柏レイソル戦は、是が非でも勝ち点3を取らねばならないということです!!(しかもホームです)

相手にとっても6ポイントマッチになります。

ただでさえ残留ラインから遅れているのに、ここでもしレイソルに負けることがあると、余計に厳しいことになります。

 

しかしながら、希望はまだ残っています。

2008年の順位表を見てみてください。

ジェフ千葉もこの年、14節終了時点で勝ち点が9でした。

残り20試合で勝ち点29を積み上げ、奇跡の残留を果たしています。

今の我々の状況だと、単純計算で残り20試合での勝ち点は13ですから、

かなりの驚異的なペースだったことが伺えます。

ただ逆に言えば、このレベルの積み上げをしないと、残留は難しいということです。

 

そのために大切なのは、何度も申し上げているように、残留争いチームとの直接対決に、勝つということです。

 

何度も言いますが、残留のためには次の柏レイソル戦が非常に大きな大きなポイントになります。

相手もそれを分かっているから、監督交代にこのタイミングで踏み切っています。

 

【まとめ】

・現在のペース(14節終了時点で勝ち点9、15位が勝ち点14)は非常に厳しいペース

・残り20試合で、勝ち点27が必要と考えられる

・例年の傾向に照らし合わせれば、残留は奇跡(10%)に近い状況

・6ポイントゲームを全部取るくらいじゃないとダメ

・次節の柏レイソル戦から、命がけで勝ちに行きたい

 

是非、今後のグランパスの行方を見守る素材、目安にして頂ければと思います。

 

 

名古屋グランパスの選手は本当に「闘って」いないのか?

本日のJ1第14節アウェイ長崎戦の試合後のインタビューで、名古屋グランパス風間八宏監督は次のようなコメントを残した。

 

 

集中力の欠如。前半後半の立ち上がり、自ら相手にゴールを与えてしまった。あとは、そのあと立て直すだけの闘う気持ち。気持ちとはどういうことかと言えば前に向かう姿勢ですね、テクニックを含めもっともっと闘わなければいけなかった。

nagoya-grampus.jp

確かに、選手の動きはお世辞にも良いとは言えなかった。

肝心なところで体を投げ出したり、相手の懐に入り込むような気迫、シュートへの意欲、単純なミスパス、ノープレッシャーでのボール扱いのミス、、、色々な点で物足りなく、不甲斐なく映ったのは確かだ。

長崎まで足を運んだサポーターからすれば、本当に辛い90分になったであろう。

 

しかしながら、果たして闘おうとしない選手なんて、本当にいるのか?という話である。

私はDAZNで観戦していたが、確かにパフォーマンスは奮わなかったかもしれない。でも、いずれの選手も表情は鬼気迫るものがあった。

今日の試合を迎えるまで11試合勝利がない状況で、誰がまた負けたいなどと思うか。

あのピッチに立っている選手たちは、我々アマチュア人の誰よりも勝利に飢えており、そして実際に勝利を掴んできた猛者の集まりなのだ。

選ばれた者だからこそ、国内最高峰のリーグにおいて、ピッチに立てている。

あの選手たちは、誰よりも負けず嫌いだ。じゃなければ、サッカーを生業には選「べ」ない。

それは自分がよく知っているつもりだ。

 

でも、パフォーマンスレベルは確かに低い。

一見「闘っていない」ように捉えられても仕方ないようなプレーを連発してしまう。

何故なのか。私は一つの仮説を立てた。

 

「監督(コーチングスタッフ)が、闘えるように導けていないから」

 

そもそも、この試合を迎えるにあたって、選手たちはかなりの疲労を抱えていたことは想像に難くない。

4月28日(土)対FC東京(@調布)

(中3日)

5月2日(水)対セレッソ大阪(@名古屋)

(中2日)

5月5日(土)対横浜F・マリノス(@豊田)

(中3日)

5月9日(水)対浦和レッズ(@浦和)

(中2日)

5月12日(土)対V・ファーレン長崎(@諫早

と、最近5試合だけ取り上げても、これだけの過密日程をこなしている。

全試合に出場している選手も少なくなかった。

体が疲れれば、頭も疲れる。

逆に頭ではこうしたい、こうすべきだとわかっていても、体が反応しなくなる。

ただ、これは他のチームも同様である。(他のチームと違って、ターンオーバーを敷くほどの選手層がないことも要因の一つだが、主題ではないので割愛する)

では、何故差がつくのか。

それは、他のチームは、疲労の影響を最小限に食い止めるメソッドを共有しているからだ。つまり、戦略・戦術が備わっている。

今日の長崎戦後の選手のコメントを一部抜粋する。

 

玉田圭司選手

攻撃に関しても守備に関しても、みんなが戸惑っていて。人任せというか、「こういくから、こうする」というのもまったくなかったし、味方が何をするのかも分かっていない状況でした。もちろん、選手は頑張っているし、「勝ちたい」という気持ちもあったんだけど、それを解決する方法を見出だせていなくて。一人ひとりが解決策を考えてやっていたから、チームとして機能していなかったです。

「いこう」とか「やろう、続けよう」と口で言うのは簡単です。それをやろうとはしているんだけど、どうやってボールを奪うのか、どうやって攻めるのかという部分が足りなかった印象です。

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青木亮太選手

どうやって攻めようというのがなかなかなかったので、やっている中でもどうやって攻めていこうというのがあまり見えなかったです

www.targma.jp

 

長谷川アーリアジャスール選手

今日の試合に関して、僕も含めて一人ひとりが球際だったり、目の前の相手と闘うという部分で劣っていた。相手の方が走って闘えていたと思います。そういう基本的なところですね。そこをもっとやらなければ、今の状況というものは変わってこないと思います。試合が終わったらこういうことを言えますけど、ピッチ内でどうにかしようと思ってやっていた中で、それがうまくできなかったことは悔しいで

inside.nagoya-grampus.jp

 

身体が自分のイメージした動きを100%に近いレベルで表現できるコンディションであれば良いが、決して今日はそうではなかった。加えて、今日のスタジアムはあえて水が撒かれず、明らかにボールの走りは悪かった。

そういった、イメージと運動がリンクしない状況では、普段取り組んでいる個人技術や極めて少人数でのコンビネーションによる密集打開をすることは困難を極める。

 

したがって、相手より速く一歩目を踏み出したり、コンマ数秒速く反応するためには、相手のプレーと味方のプレーを「予測」し、準備をしなければならない。

その準備が、リンクの遅れを取り戻し、結果的に相対的なデュエルに勝たせてくれるのだ。

つまり、今日であれば、長崎の攻守における狙いや、明らかなボールルート、強み、弱み、キープレーヤーを明らかにし、具体的なメソッドを付加した形で選手に中2日で落とし込む必要があった。身体を休ませないといけないからこそ、頭を準備させないといけなかった。

こういう時だからこそ、風間監督はじめコーチングスタッフは、「戦略・戦術」をしっかりと落とし込まないといけなかったのだ。「技術が足りない」「ミスが多い」「闘えていなかった」等とは、絶対に言ってはいけないのである。なぜなら、選手に闘えていないようなプレーをさせてしまった原因は、あなたたちにもあるからである。

非公開トレーニングで何をしているのか知らないが、少なくとも選手たちのコメントから、事前にメソッドを共有されていたとは、とてもじゃないが思えない。

 

そもそも、戦略がないから、闘い方がわからないのだ。

プレー選択に悩みと不安があるから、一歩目を強く、速く踏み出せない。

 

長谷川選手や、和泉竜司選手も、試合後、「相手よりも闘う気持ちや、球際の厳しさが足りなかった」とコメントしている。しかし、「闘えていなかった」「相手よりも球際の厳しさが足りなかった」は、私からすれば結果論である。上述したように、闘いたくない選手なんていないからである。

相手の動きを予測したり、その上で味方のサポートやプレー選択、ポジションを共有できていれば、自然と、「闘っている」ような、「球際に厳しい」ような、そんなプレーをすることができる(しているように見える)

準備とそれによる信頼によって、相手より少しでも速く、強く一歩目を踏み出す勇気を与えることができるのだ。

 

先日のルヴァンカップ浦和戦は、失点するまでの31分間は今シーズンのベストパフォーマンスだった。それは、各々がやるべき仕事を理解し、味方の仕事も理解した上で、相手よりも速く踏み出し、相手よりも速く仕掛け続けたからだと考えている。

それを可能にしたのは、ピッチ内の監督(小林裕紀選手と玉田選手)だと観ていて感じた。彼らは常に声を出し、周りの若い選手を導いていた。

だから、深堀隼平選手も、榎本大輝選手も、内田健太選手も、八反田康平選手も、プレーに迷いが見られなかった。

 

 

今、名古屋グランパスに最も必要な薬は「勇気」と「信頼」だ。

そしてそれらの薬は、風間監督はじめ、コーチングスタッフが予め与えるべきものだ。

それを与えることなく、90分間の中で言語も異なり、そして大歓声でまるで聞こえない状況で選手たちにプレー選択、予測を一任し、それで「闘っていなかった」と言うのは、あまりにも責任転嫁ではなかろうか。

 

私は風間監督を中心とする編成をどちらかといえば支持している立場だが、

もし次節(ホームでの柏レイソル戦)で同様の悲劇が起きた場合、解任もやむなしと思う。できればそういう結果は見たくない。

ただただ思うのは、このフットボールスタイルや、ゲームに対するアプローチを続けるのであれば、あまりにも選手がかわいそうだ。勝てる、勝てないの問題ではない。この状況を引き起こしたのは、勿論選手の未熟さもあるが、決してそれだけではないと思うからだ。

 

 

最後に、標題に対する私の回答を述べる。

 

名古屋グランパスの選手は闘っていないのではない。闘えないのだ。きっと。

 

風間監督、解任すべき?しないべき?を考える

【前置き】

うーんと、何連敗でしたっけ?

なかなか出口の見えない連敗道を進んでいる名古屋グランパス

当然、指揮官である風間八宏監督の進退問題は浮上してきますよね。

ここ数日、ネット上でも、解任派と続投派でそれぞれ意見が共有され、一部議論の的にもなっています。

ということで、常に素材を提供するべき私が、私が目にしたそれぞれの立場の意見を、私なりに集約して、名古屋グランパスに関わる方々の現在地みたいなものをおぼろげながら整理してみたいと思います。

私の立場は明らかにするかもしれませんし、しないかもしれません。笑

 

  1. 風間監督を解任すべき派の主な意見とそれに対する感想
  2. 風間監督を続投すべき派の主な意見とそれに対する感想
  3. 中間派の主な意見とそれに対する感想

 

【風間監督を解任すべき派の主な意見とそれに対する感想】

・このスタイルに未来が見えない

色々目にはしましたが、この一言に集約されるのではないでしょうか。

風間監督が提唱する、細かいパスで局面を打開して相手の背後を取ることはできず、得点を外国人、しかもセットプレー等でしか取れないという攻撃面での現状と

とにかく失点が多い(しかも取られる時間帯や取られ方が悪い)という守備面での現状を受け、これ以上風間監督の指導や采配を続けさせても、きっといいことはないだろうという意見ですね。

おそらく解任派のほとんどの方が、「J2降格」を最優先に避けるべきだという考えがベースにあるものだと思われます。

どんなに華麗とは程遠く、かっこ悪いプレーだったとしても、降格よりはマシだっていうことですね。

我々は最近、クラブのゴタゴタを引きずる形でJ2降格(そこからの中心選手の離脱や契約満了)→J1昇格という、大変厳しい環境を経験していることもあっての意見でしょう。

2度と同じ経験はしたくないという強い想いが伺えます。

 

・8連敗という現状に対して、何かしらの手を打たないといけない

欧州サッカー事情に比較的明るいファン層で出ている意見かと思います。

どんなビッグクラブでも、ビッグネームでも、ここまで結果が出ていない場合、指揮官に責任を取らせる人事は珍しくないみたいですね。

と言われても、ここ数年でパッと思い浮かぶのは、ミラン、マドリー、あとはスパーズのような、スタイルありきよりも結果ありき(スパーズは今違うけど)のクラブですけど。

どちらかというと、現在の欧州は結果を出していても解任される監督の方が多い気がします。以前のバイエルンアンチェロッティとか、ドルトムントトゥヘルとか。

 

とりあえず、現状打破のための打ち手の一つという認識でしょうか。

 

・決して風間監督じゃなくても、同様のスタイルは踏襲できる

ボールを大事にして、常に自分たちがボールを保持する中で意図的にスペースを作り、相手を崩していくというスタイルは、風間監督以外の指導者でも理想として掲げる人間は多いですよね。

その中で、守備の整備にも手をつけられる、風間監督よりもバランスがある監督に変えるべきだという意見です。

確かに、ボールを保持するチームを作っている割には、ボールを失った後、ボールを奪い返すためのオーガナイズや、相手にビルドアップされている時のオーガナイズ、更にはカウンター対策などがあまりにも疎かすぎるとは思います。

複数失点(というよりも3失点)が続いている状況の中で、守備から入れとは言わないけど、ボールを失った時の回収方法やカウンター対策くらいは落とし込めよ!ということですね。

まぁおっしゃることはよくわかります。

海外含めて探せばそれなりの指導者をリストアップできる可能性は高いと思います。

ただ、その新監督への年棒だけでなく、シャビエルの買取金や、風間監督を解任する際に発生する違約金もあります。(報道だと3年契約の2年目なので)その辺のコストマネジメントを考えると、解任!解任!とだけ叫ぶのも現実的じゃない気もします。

 

・指揮官としては適任じゃない。指導者として雇えば?

11対11における戦術家としては失格。川崎時代だって結果を出せていない。

ただ、中村憲剛大久保嘉人などのベテランにより輝きを与えたり、大島僚太等、有望株を日本を代表するレベルの選手にまで引き上げた、個人技術にフォーカスした個人指導(頭も体も)については向いていると思う。クラブには留まって、ユースを含めた東海地区のグランパスに関わる少年、青年などの底上げに関わってほしいという意見もありましたね。

 

だいたい、解任派の意見を集約するとこんなもんでしょうか。細かい意見を拾い上げたりきりがないので、あくまでも集約したまでです。

 

【風間監督を続投すべき派の主な意見とそれに対する感想】

選手:赤鯱新報や各種メディアでの選手のコメントを見ると、監督に対する不満は文章の上ではあまり読み取れません。それよりも、自分たちの不甲斐なさ(技術や個人戦術の部分)に対して憤りと情けなさを感じている選手が多い印象です。

まぁ心の中で何を思っているかはわかりませんが、今の所そういう報道はないですね(万が一降格した時にどこかの新聞社が書きためたネタを出しまくってくるかもしれませんが)

監督が指し示しているビジョンや指導については概ね納得されているのではないか。とも思えます。

選手の中から造反や反論意見が湧き上がらないうちは、様子を見るべきとも思えます。

 

フロント:小西社長に関しては、以下の記事が出ています。

www.nikkansports.com

自身の責任を問われた風間監督は「僕が決めることではない。チームが決める」と表情を変えず堂々と言い切った。小西社長は笑みも浮かべ「中長期でやっている。今やっていることをやり続けてもらいたい」と現体制で戦い続けると断言した。

 

 ということで、現時点では続投という意見でしょうか。

実は、風間監督続投派の意見として少なくないのが、小西社長に対する信頼ですね。

J2降格してから今日までの、小西社長のクラブ作りに対して一定の評価をしているファン・サポーターが多く、「彼の判断なら尊重する、信じたい。」という意見は結構目にしました。

大森征之チーム統括部スポーツダイレクター:大森氏については、クラブHP内にこういった記事がありました(有料記事です)

【スタッフインタビュー】大森征之(チーム統括部スポーツダイレクター)「チームを“統括”して、グランパスを一つに」 | インサイド・グランパス

有料部分をペーストするのは気がひけるので、要点だけ書くと、今後のグランパスのビジョンに対して、以下のように述べています。

・このクラブはグローバルな企業が支えてくれている

グランパスはそういうところにいける可能性のあるクラブ

・目標としてそこ(クラブW杯)が到着する最終地点

・この3年以内にアジアチャンピオンズリーグの出場権を獲得すること

・もちろん、(その間に)タイトルが取れたら非常にいい

・さらにその5年後にはクラブW杯に出場して、グランパスの強さを証明したいそのためには、選手を鍛えなくてはいけないし、アカデミーから選手を育てなくてはいけない。

 ということで、2020シーズンまでに、J1で3、4位以内(できればタイトル獲得)を目指しており、そのための風間監督招聘と、アカデミーとの連携ということをある程度ハッキリ述べています。

上記を鑑みると、クラブ側としては、現時点においても風間監督に対する信頼は揺らいでいないと見るのが自然かもしれません。

 

続投派の方々の多くが、こういったクラブの中長期的なビジョンに基づいて、実際にチームスタイルも変わりつつある現状に対して、クラブへの評価と産みの苦しみを十分踏まえた上での続投という意見なのだと理解しています。

それに関連して、以下2点も意見としてよく目にします。

 

・小倉の時よりはマシ(ビジョンがある)

・クラブがそういう体制で既に補強等も進めている

 

小倉体制時(2016シーズン)は、現場もフロントも抱き合わせで総崩れしていく様を見てきているだけに、こういった比較論が出てくるのは自然といえば自然です。

ただ、小倉監督時も、ビジョンが無かったわけではないです。むしろ、ビジョンはかなり強くメッセージとして出ていたのではないでしょうか。

今改めて見ると、なんでかわかりませんが笑えてくるという方もいらっしゃるかもしれませんが、一応貼ります。

www.youtube.com

ピッチ外:中林氏を中心とした「愛されたいクラブ宣言」に代表される、「グランパスで一つになる幸せ」というビジョン。地域との連携、タッチポイントの増加。SNSでの取り組みなど、今に繋がるものも多いのではないでしょうか。

マーケティングのプロがグランパスを変革する/前編「三重苦の中で学んだ“志高く”という信念」 | サッカーキング

マーケティングのプロがグランパスを変革する/後編「自分の仕事は日本のサッカー界の閉塞感を打ち破ること」 | サッカーキング

 

ピッチ内:小倉監督もビジョンは明確化していました。

「FOOTBALL STYLE」「FOOTBALL PRINCIPLE」そして「MENTALTY」の3項目です。

「FOOTBALL STYLE」について

昨年の就任記者会見の時から、新体制発表会で発表すると小出しにし、キーワードしか伝えていませんでした。そのキーワードとして、グランパスが目指すスタイルは、スマートでインテリジェンスに溢れ、そしてテクニカルであり組織として共感するサッカーです。

 

ただ、指揮官自身、上記の抽象的なコンセプトを、実際にピッチ上で発揮するための設計図の描き方や落とし込み方を含めた、圧倒的な経験不足からくる指導力不足や、首脳陣の実力不足が存在していました。

なので、小倉監督と風間監督について、ビジョンありきでの比較論はあまり意味がないと思います。お互いにそれは明確にしていたので。

小倉監督が結果を出せなかったのはビジョンがなかったからではないし、あの年にクラブが大きく崩れてしまったのも、それが理由ではないと思うからです。(報道に出ていたことも出ていなかったことも含めて、圧倒的なマネジメント不足はあったかもなぁとは想像できます)

 

・選手層がそもそも薄い

ビハインド時に投入される攻撃的選手が、J1での実績が不足している内田健太押谷祐樹、大ベテランでフル稼働の難しい佐藤寿人玉田圭司、あとは特別指定の現役高校生では誰が監督やっても厳しいだろ!ということですね。

欲を言えば、深堀隼平や、大垣勇樹あたりがもっと伸びてきてほしいところですが。。。

 

・やり方を変えてもついていける選手がいない

上記にも関連しますが、風間スタイルありきでの選手構成を昨シーズンから今シーズンにかけて進めているのと、そういったテクニカルな若手選手の底上げをベースに、チームの背骨を優良な外国籍選手で固めるという方針を現在取っています。(大森氏のインタビュー参照)

そのため、例え守備を意識したリアクションも含めたソリッドなスタイルを選手たちに提供しても、それをJ1レベルで実践できる選手なんて一人もいないだろう!っていう意見です。確かに今のメンバーで、強度の高いプレッシングを自陣で行うのは難しそうです。

そして特別指定選手や新加入が内定している選手の特徴をみても、今後も風間スタイルを継続していくことが想像できます。

 

・川崎時代もすぐには結果が出なかった。このやり方には時間がかかるから、我慢すべき

実際に川崎フロンターレの成績ってどうだったんだろう?と思って、調べてみました。

 

まず、風間監督が川崎の監督に就任したのが2012年4月からです。その年は途中でチームを引き継ぎ、18チーム中8位でした。

そして就任2年目はどうだったかと言うと、

Jリーグでは18チーム中3位。天皇杯はベスト8、ナビスコカップはベスト4でした。

リーグでは1位広島との勝ち点差は3ポイント。総得点は65点(浦和に次ぐリーグ2位)、失点は51点(リーグ10位/18)

 

2年目に結果出してるやん!!笑

 

この年は新加入の大久保嘉人がいきなり得点王に輝いてました。(この年を含めてこの後3年連続得点王)

もう少しこの年の川崎を調べてみました。

  • 34試合中31試合が4バックシステム(ほとんどが4-2-3-1もしくは4-4-2)
  • チームアシスト王はレナト、次いで中村憲剛

川崎に詳しい人に何人か聞きましたが、この年の川崎はボール保持率を高めるアプローチは継続しつつも、基本的な得点パターンは、中村やレナトを起点にしたカウンターが多く、その切れ味は強烈だったそうです。

そのためにも、ダブルボランチ山本真希稲本潤一をチョイスすることが多く、CBのジェシ含めて、中盤センターはかなり強固だったと。

 

補強やコンバートについても、この年以降から、風間色を強めに出すようになります。

2012年の新加入選手を見ても、風間監督っぽさはあまりありません。

 

ということで、名古屋グランパスでの2年目と、川崎フロンターレでの2年目ではピッチ内外のアプローチが異なっていそうです。

ただ、止めて蹴る、相手を外すという風間監督の三大原則を、各選手が適所で発揮できた選手たちが多かったからこそ、結果がついてきたのではないでしょうか。

ということは、このやり方には我慢が必要だっていうのは、結果を出しながらコンセプトを高めていくっていうのを考えると、必ずしも100%当てはまらない気もします。

 

 

続投派の意見と、それに対する根拠やコメントを付記して集約するとこんな感じになりますかね。

 

【中間派の主な意見とそれに対する感想】

・ワールドカップによる中断期間までは様子を見るべき

今年はワールドカップが6月から開催されるため、それまでの日程がかなりタイトになっています。

そのため、選手のコンディショニング最優先の調整になり、戦術的な積み上げや修正、スカウティングを踏まえての準備時間は多くないです。

ですので、悪い流れを断ち切ることが難しい。そこまでは様子を見てもいいんじゃないかという意見です。

 

・夏の移籍市場で、人員によってある程度修正

ここまで戦ってきて、風間監督のスタイルを体現するために、更に底上げが必要なピースやポジションは見えてきてると思うので、そこは割り切って外注するということは十分考えられます。それを踏まえて、今年1年は様子を見るのもいいのでは?という意見ですね。ただもし外国籍選手を取る場合、アジア枠を含め、現状で既に枠は埋まっています。しかもほぼ全員の選手が主力なので、外国籍選手の獲得は考えづらいでしょう。

となると、日本人選手になりますが、国内はリーグ戦の真っ只中です。となると、他のチームでゲームに出られていない選手くらいしか呼べません。それで果たして底上げになるのか?はしっかり議論した方が良さそうです。

個人的には、海外でプレーする日本人選手を、海外シーズン前に獲得というのが一番理想的だと思います。

ほら、2人くらい名古屋出身の選手がいるじゃないですか。2人とも年齢的にはピークかそれを超えたくらいですし。ほらほら。

 

まぁ、風間監督も、常々、年齢関係なく全員を争わせてチームを底上げしていかないといけないとコメントしています。選手層については議論の余地がありそうですよね。

 

新井が復帰してからのゲームを観ないことには判断できかねる

昨シーズンの夏の躍進を支えた選手の一人です。この選手が怪我から復帰してきて、どれだけJ1相手に抑止力となるかは相当なポイントになるかと私も思います。

彼が通用しない状況っていうのはあまり想像はしたくないですがね・・・

 

【まとめ】

いかがだったでしょうか。

ある程度集約させながら、根拠も推論した上で、議論のネタを提示してみました。

人それぞれ、名古屋グランパスに対する立ち位置は異なります。

したがって、クラブに求める姿も異なります。

でも、名古屋グランパスのファン・サポーターであるのなら、勝ってほしいはずですし、楽しい試合が観たいはず。そこだけは共有できる部分だと思います。

共有部分を互いに認識し合えば、水掛け論や穴のつつき合いではない、前向きな議論ができます。

このブログを是非題材にしていただいた上で、名古屋グランパスがもっと良くなるために、共有部分をベースにどんどん語り合っていただければ、「素材」としては本望であります。

 

(私は、、、中間派ですかね。戦術的な抜本的な修正も必要だと思うので、ゲームや風間監督の采配等については批判を続けますが、ある程度クラブの取り組みも理解しているつもりなので)

 

ジョーに千本クロスを上げた方がいい4つの理由

【前置き】

 

先制点を取られ、反撃の狼煙を上げたところですぐに追加点を奪われ、

そして試合終了間際にトドメの一撃を食らってknock outっていうパターンで苦しむ名古屋グランパス

攻撃偏重でチーム作りをしてきたのにも関わらず、中々形を作れない。

そして失点だけがかさんでいくという悪循環に陥っています。

フットボールラボ

www.football-lab.jp

のデータによると、ここまでのリーグ戦を通じて

ボール保持率:52.7%(5/18位)

攻撃回数:128.9回(7/18位)

ということで、ボールはある程度保持でき、攻撃の局面自体は少なくはないという現状が見て取れます。

が、課題はここから。

平均シュート数:11.0回(14/18位)

チャンス構築率:8.5%(15/18位)

シュート成功率:8.2%(14/18位)

1試合平均ゴール数:0.9点(13/18位)

ということで、ボールは持てるが、フィニッシュまでは持ち込めていないことがなんとなく読み取れます。

ちなみに、ここまでの名古屋グランパスのゴールの内訳ですが

PK:1点(11.11%)

セットプレーから:3点(33.33%)

クロスから:2点(22.22%)

ルーパスから:1点(11.11%)

こぼれ球から:1点(11.11%)

その他:1点(11.11%)

ということで、ショートパスからのゴールが1点もありません。

 

取り組んでいることと、結果が明らかに結びついていないことが上記のデータからも垣間見えてしまいました。

逆の視点で見れば、相手にとって今の名古屋グランパスは対策しやすいチームと言えます。

ビルドアップ制御に対してはそこまでリスクをかけず、ミドルサードからアタッキングサードにかけて組織的守備からボールを奪い、(ミスを誘発する)

奪ったボールを素早く縦に展開してカウンターを発動させる。

自陣での守備についても、基本的には狭いエリアでのショートパスを押さえておけば、背後や逆サイドへの展開(要は背中を取られる展開)は無いので、守りやすいということです。

 

指揮官はどう対応していくのかという点については、

7連敗した、昨日の清水戦後の風間監督の試合後のコメントを参照してみたいと思います。

やはり、個人のところをもっともっとシビアに育てていかなければいけないんで、そういう意味では競争がまだまだ足りないチームだと思いますし、若い選手も多いですけど、その中でシビアに、自分たちがこのような姿でいるんだというところをもっと認識すれば、いろんな対象が個人にとって出てくると思います。チームで大きくやられているわけではないので、そこのところは個人個人の力量をもっと上げていくこと、これが我々の仕事だと思います。

nagoya-grampus.jp

 

ということで、個の質を上げていくことに終始していますね。多分変わらないと思います。

そして我々が応援するクラブは、そういう指揮官を迎えて、そういうチーム作りをしていくことをステークホルダーに宣言しているわけです。

なので、黙って応援するしかないのです。

 

ここで、私はあえて提言したい。

ジョーに千本クロスをあびせろ」と。

 

【理由その1:効率的だから】

名古屋グランパスが苦しんでいるのは、主にビルドアップした次の段階

つまり、相手を動かして自分たちのプレースペースを創造し、それを活用してフィニッシュまで持ち込むという、具体的な攻撃の構築にかかるフェーズです。

サイドのある程度の位置までボールを運ぶことはできています。

そこから先で苦しんでいる。

なら、省略しちゃえば?

っていう極めて単純な話です。そうすりゃ悪い奪われ方もしないし、全体がジョーへのセカンドに集中できるので、ゲーゲンプレスも中央でかけられます。ボール奪取にももしかするといい影響を与えるかもしれない。

現に、トップに早めにボールを当てて、そこのこぼれを組織的に活用するスタイルのチームは欧州にも存在します。

 

【理由その2:ジョーがすごい選手だから】

最近流行りの言葉を使うと、ジョーの「質的優位性」を活かそうよって話です。

あの体格、キープ力、フィジカル、高さを使わない手はないでしょう。

風間監督は、まだ彼のコンディションが上がりきっていないとコメントしていました。

確かに見ていてもまだまだだなぁとは思います。

純粋なミスが多いですし。(そのシュート外す!?とか、そのトラップミスっちゃう!?みたいな)

それでもですね、「打てなくても足と守備にスランプはない」と野球界で言われるように、「コンディション上がらなくても高さ(運動範囲を狭めた状態でのフィジカル面)にスランプはない」のです。

基本的にJ1のチームは4バックが多いです。

しかも広島を除けば、CBタイプを2人置くパターンがほとんどなので、基本的にジョーに対しては1人が当たり、もう1人がカバーリングする形で対応してきます。

なので、例えばジョーの近くにガブリエル・シャビエルがいれば、局地的には数的同数の局面を作ることも十分に可能です。

しかも、ジョーとシャビエル、ここ、名古屋の最大の武器ですよね。

風間監督のスタイルからすれば、決して綺麗ではないかもしれないけど、4バックのチーム相手には、チャンスは作れそうですよね。

 

【理由その3:それが囮になるから】

こういうパターンもある。と、相手に示すだけでも、全然違う局面が作れそうじゃないですか?

サイドでボールを持った時、センタリングが頭にあれば自然と相手守備陣はラインを下げますし、ボランチもカバーのために下がります。そうすればバイタルエリアが空きます。

また、ボールを持った選手に対する対応も、センタリングを頭にチラつかせることによって、縦に抜きやすくなります。そのことでまた違った局面が生まれます。

また、ジョーの周辺にマークや意識が集中すれば、自然とファーサイドは隙が生まれます。

そこにダイアゴナルに展開したり、あえてファーの長谷川アーリアジャスールに合わせて折り返しを狙ったり、攻撃の幅は広げようと思えばどれだけでも広げられます。

 

【理由その4:それがひいては名古屋の武器を発揮することに繋がる(かもしれない)から】

今、「名古屋はサイドでこねくり回すだけだ」と思われているからこそ、打開に苦しんでいるのです。(風間監督は、それでもそこを突破しろというスタンスだということは十分に理解はしてますが笑)

でも、ジョーの活用を踏まえて作ったサイドでの局面は、以前のそれよりも相手のプレッシャー(意識)や人数は多分弱まっています。

また、ジョーを使ったことによって、よりゴールに近い位置でボールを持てた時こそ、より「今名古屋グランパスが取り組んでいること」が出しやすい状況を作れると思いませんか?

 

何のためにパスを繋ぐのか。ボールを保持するのか。それはゴールを取るために他なりません。手段を目的にすり替えてはいけません。

 

「今ジョーにクロスを当てたらチャンスになりそうだけど、それはうちのスタイルじゃないからとりあえず近くのあいつにつけるか」っていう目的→手段の最悪な発想転換が行われてしまっている気がしてなりません。

 

しかも、連敗しているという、お世辞にもいいとは言えないチーム状況の中で、コンセプトに合わないプレーを選ぶことは意外と気持ちの部分で負荷だったりするんですよね。それにそぐわないことをして、失敗して、点取られたらどうしようって絶対になるんですよ。若いチームだし特に。

 

ジョーに当てて、そこでセカンドを死に物狂いで拾って、よりゴールに近い位置で培ってきたユニットでの剥がし、裏取りを発揮すればいいんです。

よりゴールに近い位置で行えば、例えミスしたり、相手にボールを奪われても、自分たちのゴールからはかなり遠い位置でネガティブトランジションを始めることができます。

 

そもそも、シャビエル、青木亮太、和泉竜司にゴール近くでテクられた方が相手は嫌ですよ。

 

でも、ピッチ中央で背を向けてボールをキープしに行ったり、後ろ向きでボールを受けたりする彼らは、彼らの魅力や能力を半減させてしまうだけです。

イコールそこが、相手にとっての奪いどころにもなってしまっていますしね。

 

ピッチの全箇所で「止めて蹴って繋ぐ」を発揮する必要はないんですよね。

点を取るためにより効果的な位置で、武器を適切に使う。当たり前のようでなかなか難しいものです。

 

【まとめ】

以上が、私がジョーに千本クロスを上げた方がいい4つの理由です。

別に本当にそうなってほしいとは思いませんが、とにかく、選手たちには改めて、

点を取るためにプレーしてほしいです。

「自分たちのサッカーを思い出して、勝とう」なんて思わなくていい。

なぜなら、自分たちのサッカーでまだJ1を経験したことがないんだから。

勝つためにサッカーしてるんだから、勝つ経験を増やしていくことで、自然と自分たちのサッカーは見つかっていくものです。

決めたスタイルをとことん突き詰めるのもそれはそれで人生だし、フットボールの在り方だし、結構ですが、

勝つためにやっているということだけ、忘れないでほしいなと思います。

あとは楽しむことも大事です。

でも、結果を出せないと楽しくなくないですか?

そんなに慌てなくても、フットボールは逃げていきませんから、

相手を分析して、勝てるポイントを押さえながら、結果にこだわっていく中で、自分たちのソフトをゆっくり磨いていけばいいですよ。

いうて、チームができてまだ20年強。このスタイルに取り組んで2年目なんですから。

 

「More haste less speed.」ですね

 

 

 

 

 

【理由その5:3億5千万円ももらってるんだからとことん使い倒すべき】

 

 

 

 

名古屋グランパス スカウティングシリーズ第一弾「ビルドアップ」編

【前置き】

まさかの21年ぶりのリーグ6連敗に苦しむ名古屋グランパス

予想していた方も、そうでない方もいらっしゃるでしょう。

ここ数試合観ていて、確かに何もかもがうまくいってない感じはある。

でも、具体的に何が悪くて、どう修正すればいいのか?

そんな知的好奇心が自分の中でふつふつと湧き上がってきたので、検証してみました。

 

スカウティングシリーズと題して、先月号のフットボリスタの記事を参考に、名古屋グランパスの過去数試合を、

・ビルドアップ

・ポジショナルな攻撃

・ポジティブトランジション

・ネガティブトランジション

・プレッシング

・組織的守備

上記6項目について、得失点シーンを中心に検証してみたいと思います。

今回は第一弾ということで、ビルドアップから。

(ただ、このシリーズは自分の好奇心が弱まった瞬間に終わりますので、あしからず)

 

【ビルドアップをどう切り取るか】

ここでの「ビルドアップ」は、以下のように定義します。

「自陣低いところから攻撃を組み立てるアクション」

また、ビルドアップにも2種類あり、それぞれ意味合いが異なるので、そこも整理しておきます。

ダイレクトなビルドアップ:縦への展開を急ぐ

ポゼッションによるビルドアップ:後方からパスを繋いで攻撃を組み立てる

名古屋グランパスは私の見立てだと、1:9で後者に偏ってます。

 

それでは、定義を再確認したところで、ここからの具体的な内容は私の個人的メモだと思って読んでいって頂ければと思います。

 

【ダイレクトなビルドアップ:分析】

・主にロングパスを蹴るのはGKランゲラック。次いで小林裕紀。宮原、ホーシャもパターンとしては持っている

・本ビルドアップのスイッチになる状況は、相手の強いプレッシャーに対する回避、もしくはGKへのバックパス時

・ターゲットは99%ジョー

ジョーは、ほとんどのプレーで背後にフリックしようとする。そのため斜めからのボールに対する扱いは成功が多いが、正面からのロングパスに対してはマーカーに競り負けることが多い。たまに手前に落としたりもするが、ジョーに蹴る時点で攻撃陣の距離感が遠いことが多く、ほぼフリック、もしくは競り合わない。

・GK含め、ランゲラックからのロングパスは正面コースが多い(ライン際を狙わない)ため、相手DFとしては競りやすい状況が多く、しばしばダイレクトなビルドアップでボール保持権利を失っている

 

【ダイレクトなビルドアップ:考察】

主なスイッチャーはGK。ただキックは真正直なボールが多く、ターゲットも決まっている。GKに持たせるようなプレッシングをかけて蹴らせ、ジョーに対してハードマーカーを必ずつけておけば、半分以上の確率でボールは回収できる。

ただし、小林裕紀やホーシャがフリーの状態で前を見たときに繰り出されるロングパスは意図があり、ジョーの頭ではなく胸より下の高さで送られ、手前に落として繋がるシーンもあった。ここは注意が必要。

 

【ポゼッションによるビルドアップ:分析】

ビルドアップ時の布陣パターン:相手のプレッシングに合わせて微調整は図られるが、主なパターンは以下の通り。

*第5節 鳥栖戦(守備時の布陣4-3-3)

パターン①:4-3-3でプレッシングしてくる鳥栖に対して、アンカーの小林が最終ラインに落ちて、片方のSBを押し上げる。SBに前向きな形でボールを送り、SBを起点に前方のWGとIHでトライアングルを形成して、ボールを第1プレッシャーラインから回避させる。

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パターン①の場合、プレッシャーラインを超えるボールを蹴る選手は押しあがったSB。トライアングルを形成してボールを受け、攻撃を組み立てるために、ボールサイドのWGとIHとの連携が非常に重要。

また、この時に、ボールを後ろ向きに受けることになるWGに対しては、相手SBがかなり激しく対応する。相手としては、ここのWGがボールの取り所にもなる。

それに対して、名古屋はSBからWGではなく、一度角度をつけてIHにつけてからワンタッチでWGに繋ぎ、IHがパスアンドゴーでハーフスペースを縦に走るというパターンも見せており、結構効果的だった(繋がればの話だが)

(独り言。鳥栖は横幅を3人でスライドして埋めるので、斜めのサイドチェンジがかなり有効なのだけど、名古屋グランパスはそれはしない)

 

パターン②:4-3-3でプレッシングする鳥栖に対して、アンカーとIHが落ちて5人のグループを形成し、3トップ脇のIHを起点にボールをプレッシャーラインから奥に運ぶ

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敵のボールサイドのIHは名古屋のSBについていく形になり、ハーフスペースが空く。ここに起点になったIHが入って前を向いたり、WGに預けて前を向く形。これは4-3-3で守る鳥栖には一定の効果が出ていた。これを続けることで、鳥栖は次第に5バック気味になっていた(IHが予め名古屋の高く押し出たSBをマークするため)

 

この後、鳥栖は5-2-3とバランスが悪くなっていたため、トップ下の小野裕二サイドハーフに下げた4-4-2にシステム変更し、バランスを調整していた。

4-4-2へと鳥栖がシステムを変更してからも、名古屋は基本的には5人グループでのビルドアップを続け、IHを起点にビルドアップを成功させていた。

すると鳥栖は、IHに対して、ボランチがそれぞれ飛び出してマーキングするようになったが、そうすると本来埋めるべきハーフスペースが空き、そこを名古屋のWGが活用しようとはしていた。(でもハイプレスに捕まり、そこまでボールを運ぶことには難渋していた)

 

パターン①、②含め、全てのビルドアップの方向付けやタイミングを担っていたのは小林だった。また、名古屋のビルドアップにおいては、IHが果たす役割は多岐にわたるため、この試合の長谷川アーリアジャスールと青木亮太はポイントとなっていた。

パターン①においては、SBが司令塔の役割を担うことになるが、右SBの宮原和也、左SBの秋山陽介共に、ボール出しの判断、タイミングを失敗するシーンが見られた。秋山は独力でプレッシャーを回避するドリブルを時折見せたが、低い位置でそれをしてしまうと、相手にとっては取り所となってしまう。

パターン②において、SBはサイドアタッカーとしての役割を担うことになる(高い位置でボールが持て、仕掛けられるので)が、宮原、秋山共にまだまだ改善の余地がある。要はボールを持たせても怖くない印象を持った。マーカーをつけておけば事故は起きない。

 

*第6節 札幌戦(守備時の布陣は3-4-2-1)

パターン③:上記2パターンの応用編。アンカーが落ちて3バックを形成し、両SBを押し上げる。IHは落ちすぎず、相手3トップの間に立って中央のコースを提供する。

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相手がハイプレス時に、マンツーマンであることを利用し、IHがあえて中央によることで相手マーカーを引きつけハーフスペースを空け、そこにWGが顔を出してボールを付けるパターン。

ポイントは2点で、ハーフスペースへのパスコースを潰さない各選手のポジショニングと、GKを用いることで最終ラインで数的優位を作り、効果的にボールを運ぶこと。

何度もGKをビルドアップに参加させ、相手のマンツーマンを剥がそうとする意図は見られたが、繋げる場面でランゲラックが前方にフィードしてしまうこともあった。この布陣の場合、IHもおりてきており、フォワードに対するサポート人数が少ないため、ロングフィードでボールが繋がる確率は低い。ランゲラックはもっとビルドアップに効果的に参加できるようになってほしい。

また、札幌はマンツーマンをあまり厳格には徹底していなかったため、WGの青木がおりてきた時に、マーカーがついてこない。そのため、名古屋のIHとで数的優位を作れ、そこでボールを前進させる場面も見られた。青木の状況判断が生きたケースだった。

 

*第7節 仙台戦(相手の守備時布陣3-4-2-1)

パターン④:この試合、名古屋は前半ミラーゲームを仕掛けたため、新しいビルドアップパターンが見られた。(後半はパターン③がほとんどだった)

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パターン③の変化版。仙台は落ちてくる名古屋のWGに対して、CBがそのまま行くのか、ボランチに受け渡すのかの判断に迷いがあり、結構このWGからビルドアップのルートが確保できていた。ここでも決まってWBはビルドアップには直接関与しない。

このゲームはランゲラックもビルドアップに参加する場面が少しあり、その際にはしっかりマークをはがせていた。

課題は、単純なミスが多いため、相手に高い位置でボールをプレゼントしてしまうシーンが多かったことと、仙台がWGに対する対応を修正してきたことによって、WGが後ろ向きにボールを受けた瞬間が仙台にとってのボールの奪いどころになっていた。

 

*第8節 鹿島戦(守備時布陣4-4-2)

この日の鹿島は4-4-2で挑んできたが、正直言って上の3チームに対して、対名古屋戦略があまり見えてこなかった。名古屋としては私が分析した直近5試合の中でも最も勝つチャンスがあったゲームだったと思う。

パターン⑤:4-4-2でのプレッシングに対して、ワシントンを最終ラインに落とすパターン。形としてはパターン②に似ている。

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鹿島は2トップの1stディフェンスが定まっておらず、容易に数的優位の選手がボールを運べた(主にそれをワシントンが担った)

ワシントンが第一プレッシャーを超えると、中盤は鹿島はボランチ2人に対して名古屋は3人確保できる。中盤を制圧できたことで、効率よくアタッキングゾーンにボールを運べたシーンが多かった。

また、WGやジョーの落ちる動き、IHの持ち上がりに対して誰がマークに行くのがの受け渡しや約束事が徹底されておらず、しばしば決定機に近いシーンを作ることができていた。

 

ただ現象としては、そこからのミスが多いのと、ボールを持つべき時に簡単にジョーに預けて植田や昌子にクラッシュされるシーンもあった。

また、中盤で数的優位が作れているのにもかかわらず、SBにボールをつけた後のアクションが乏しく、そこで詰まってしまって奪われることもあった。

自分たちが主体的にどうスペースと時間を作るのか、まだまだ落ちきっていない印象を受けた。

 

このパターン⑤は同じ4-4-2での守備を敷く次節の神戸戦でも採用された。

ただ神戸は鹿島に比べてプレッシングがかなり整理されていたため、持ち出し能力や剥がす力が乏しい名古屋のCBやSBはかなり狙われた。

 

【ポゼッションによるビルドアップ:分析】

アンカーとIHの選手がビルドアップを司っている。

特に、小林とワシントンはこのチームのビルドアップに欠かせない選手だ。この2選手には確実にマークをつけるべきと考える。

プレッシャーラインを越えるパスを出す選手は、パターン①においてはSBが多く、パターン②〜⑤においては、最終ライン、あるいはIHが担う。

このパスの出し手と受け手はある程度パターン化されているため、守備側としては受け手に対するプレッシャーがかけやすい。

シャビエルのようなスーパーな選手であれば独力で剥がすことも可能。

IHはビルドアップの起点、終着点、いずれの役割も担うため、このチームにおいては潤滑油と言える。課せられたタスクは非常に多い。適任は長谷川、和泉。青木やシャビエルもできるが、ボールを持ちすぎるきらいがあり、標的になりやすい(もちろん小林も。ただ小林はレジスタの方が向いている)

WGはビルドアップの終着点としての役割を担うが、このチームにおいては「ボールを収める」役割も課せられるし、コンビネーションによるプレッシャー打開も必要になる。深堀、押谷だとその点でまだまだ力不足だ。

長谷川も非常にクレバーという印象を受けるが、ポジショニングにやや不安定さがある。

CBはボールは持てるが、運べないという短所が垣間見えた。

SBは状況判断にかなりの課題がある。

GKはビルドアップに関与せず、ほとんどのバックパスをジョーに蹴る。優位性を確保できそうなシーンでも、結構蹴る。

そして、全体的に技術ミスが多い。これはトレーニングの効果がまだ出ていないのか。J1のプレッシングレベル仕様にまだなっていないのかはわからないが、あまりにもつまらないミスが多い。

 

パターン①、②(特に②)においては、SBに求めるタスクに、まだ選手が追いついていない印象がある。

パターン③のような、マンツーマンでハイプレスを仕掛けてくるチームには、GKのビルドアップ参加がポイントだが、名古屋はあまりそこが少ない。GKにボールを戻させれば、自然と回収できる仕組みになっている。

また、個人個人の距離が近すぎるのと、ポジショニングに角度がないため、パスコースが多いようで少ない状況になっている。相手としてはゲーゲンプレスもかけやすいし、ミスを誘発しやすい。

最終ラインで数的優位を作って、はがしながらボールをプレッシャーラインから越すことを試みてはいるが、せっかく優位性を持って比較的フリーにCBがボールを持っても、すぐに預けてしまったりする場面が多い。運ぶドリブルで相手のプレッシャーラインを超えることができれば、プラス2の数的優位が作れる。自分でボールを運ぶということにもチャレンジしてほしい。今の状態だと、相手としては小林にマークをつけ、CBを放すことでボールを誘う守備を取るだろう。

パターン④でも露呈した課題だが、最終ラインでのドライブで数的優位の貯金をWGに作ってあげることはハイプレス攻略にとって必須といえよう。

また、WB化するSBのタスクも整理しないといけない。J2時代は、ここに青木と和泉竜司を置いていたため、多くのシーンの起点が彼らとなったが、宮原と秋山は、残念ながらJ1のハードマークに対して苦労している。

パターン⑤で主に見られたが、ワシントンは布陣の穴や突くべき場所、スペースが見えている非常にクレバーな選手という印象を受けた。アンカーとして小林とは違う良さをうかがい知れた。

また、名古屋の修正すべき点として、いずれのパターンにおいても選手間の距離が近すぎることが挙げられる。また、ボールを受けるのはいいが、引きすぎるために、かえって相手にとってプレッシングのマトになったり、プレッシャーラインの前まで引いてしまうため何も生まれないことが多い。

 

この動画のシーンが、名古屋のビルドアップにおける個人戦術が足りていないことを物語っている。(CBのドライブ不足と、引きすぎて脅威になっていないもらい方)

 

また、ピッチ上における優位ポイントをグループとして理解せず、ボールを近く狭い方に流してしまう嫌いもある。(このシーンではマンマーク守備に対して長谷川が浮いており、小林もこちらのサイドに展開するよう指示を出しているが、ボールは左サイドの狭い方に流れ、結果詰まる)

 

【まとめ】

以上、パターン別につらつらと書いてみました。

名古屋の最大の特徴は、アタッキングサードでの数的同数あるいは優位な状況でのコンビネーションと、ガブリエル・シャビエルです。そのシーンを最大限作るためにも、彼をなるべくゴールに近い位置でプレーさせるためにも、クリーンな状態でビルドアップを完了させたいものです。

湘南戦を題材に、名古屋グランパスの対策方法を考える

【前置き】

J1に復帰して、リーグ戦3試合を終え2勝1分とまずまずのスタートを切った名古屋グラパス。

ストーブリーグでの大型補強によって、開幕前からかなり注目されていましたが、現状は及第点を与えてもいいのではないでしょうか。

そんな中で、先日の湘南戦(結果は0-0)で感じた、名古屋の攻撃における課題を、湘南が講じてきた対策を踏まえて考えてみたいと思います。

色々書きたいことはありますが、今日は1点に絞ります。

 

【ズバリ、対名古屋で効果的な方策とは??】

今日は結論から書きます。

「中央(及びハーフスペース)で前を向かせない(使わせない・侵入させない)」ことです。

当たり前やん!?と思うかもしれませんが、難しいんですよね。

そのために湘南が行なった方策を名古屋にとっての自陣、敵陣それぞれ見てみます。

 

【名古屋の自陣における、湘南の守備】

ポイントは以下の2点です。

1.中央のコースを切りながらプレッシングを仕掛け、ボールをサイドに追いやる

2.ゴールに対して後ろ向きの選手へのパスを誘導し、前向きな状態で奪ってショートカウンター

この2点を湘南は徹底していました。

名古屋にとって角度を付けた前方へのパス(斜め方向のパス)の選択肢を消していくことで、最終的に縦にボールを出しても受け手の状況を不利にさせることができます。

湘南としては、後ろ向きの選手に対して、前向きにボールを奪いにいけるので、その勢いをそのまま用いて縦に速いカウンターを繰り出すことができますし、全体をそのまま押し上げることができるので、ゲーゲンプレスを発動させることができます。

 

この2点を徹底したことによって

・角度を付けたパスコースを消し

・後ろ向きの選手を作り

・そこにパスを誘導して、前向きに奪ってそのまま縦にカウンター

をうまく発動させることができているシーンを2つご覧いただきます。

 

 

 

①の方を少し切り取ってみました。

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見辛いので申し訳ないですが、ボールを持っているのがアンカーポジションの小林です。

湘南を最前線の選手からチェックしていきます。1トップのイ・ジョンヒョプが、ホーシャへのパスコースが切れるポジションに立ちつつも、菅原へのアプローチも可能な位置で牽制しています。

ボールホルダーの小林には左シャドーの松田天馬が左側への角度を付けたパスコースを消しながらプレッシャーをかけています。

名古屋のインサイドハーフに対してはボランチの石川俊輝と、右シャドーの菊地俊介が前向きで捉えられる位置に張り付いているのがわかると思います。

そして、一番奥ですが、名古屋の右SB宮原に対しては、左WBの杉岡大暉が最終ラインから大きく前に出てアプローチをしています。

つまり、セットした状態では5バックで守る湘南ですが、高い位置から守備をする際はボールサイドのWBが一列上がり、後ろをそれぞれスライドさせて4バックに変えてプレッシングをしています。このスライド、どうでもいいように見えますが、後々効果を発揮するんです。ここ、ポイントです。

一人余ったボランチ秋野央樹は中央のスペースを埋め、バランスをとりながら、常に名古屋の背後のスペースを狙います。

 

湘南の選手たちの陣形を見たらわかると思いますが、かなりボールサイドに偏っていますよね。絶対に中央を使わせない。斜めパスを入れさせず、ボールを前向きで奪うことの徹底が見て取れます。

 

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このようにジリジリと選択肢を消されていった名古屋は、窮屈なパス交換の後、小林がワンタッチで右サイドにいるシャビエルに縦パスを通します。

名古屋的には、厳しいプレッシングから、ボールを縦に出したんでしょうが、湘南は実はこれを狙っています。

試合中に解説の戸田さんが言ってましたが、角度のない縦パスはリスクがあるんですね。縦パスが全て良いとは限らないのです。横を使って相手を食いつかせて角度を作るビルドアップは、グアルディオラ監督のチームやナポリが得意としているプレーですね。

で、シャビエルにボールが出ます。

先ほどポイントと申し上げた最終ラインのスライドがここで活きてきます。

左CBである山根視来がスライドしてきたことによって、シャビエルに対して前向きにアプローチができました。

このスライドが少しでも遅れたら??魔法使いを前向きでフリーにさせたら間違いなくハーフスペースから中央にボールを運ばれて、しかも湘南は前向きの守備陣形をとっているため、一気にピンチになりそうですよね?

だからこそこのスライドがポイントなんですね。

 

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で、後ろ向きで受けたシャビエルに対して、最終ラインの選手の山根がハーフラインを越えるところまでついていき、デュエルを作ってボールを前向きに奪います。

前向きにボールを狩れていますから、当然湘南の選手たちはそのまま前に、名古屋の選手は背中を取られる形になります。

この後、前線でパスコースを切っていたイが名古屋の最終ラインの裏を突く動きをして、それに合わせてフィードし、ボールを一気に前進させます。

結局このプレーでは、湘南はボールをフィニッシュまで持っていくことができませんでしたが、奪った瞬間、シャドーの両選手のみならず、守備に関与していない逆サイドのWB高山薫が怒涛のスプリントを見せてゴール前に雪崩のように侵入していくのがいわゆる湘南スタイルですね。この試合の高山のスプリント数は30を超えていました。当然出場選手の中でダントツの1位です。

 

ここでのポイントは、「奪ったボールをなるべく早く敵陣奥に運ぶ」ことです。

これによって、名古屋の最終ラインは深く下がることを強いられる結果、陣形を間延びさせることができるので、その後の名古屋のパス回しを遮断することにも繋がります。

斜めを使わせない前向きなプレッシングのみならず、その後のカウンターの形も含めて、名古屋の良さを自分たちの良さを用いて消していくというコンセプトが随所に現れていました。

試合後、CBの菅原由勢も「間延びしてしまった」とコメントしていました。

 

【湘南自陣での守備】

名古屋にハーフコートを越えられたら、湘南は、先ほどの前がかりな陣形が嘘かのように、1トップを残して全員が自陣深くに引きます。

しかも、5バックにありがちな5-4-1の3ラインを形成してゾーンを埋めるのではなく、こういう形を作ります。

切り取るとこんな感じです。

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・名古屋の3トップに対して、3バックがほぼマンツーマンで対応しつつ、ボールサイドのWBがボールホルダーに対応し、逆サイドのWBは最終ラインのフォロー。

ボランチの片方が、マンツーマンによって空いてしまういわゆる「ペナ角」のスペースを埋める。

・もう片方のボランチとボールサイドのシャドーの選手が、ボールホルダーへの囲い込みに参加

・逆サイドのシャドーの選手がペナルティアーク付近に位置して、中央エリアを監視。

これらの複合的な仕組みによって、名古屋が最も得意とするコンビネーションからのペナ角侵入と、ハーフスペース攻略を無効化します。

 

これは、名古屋が一発のサイドチェンジはせず、あくまでもボールサイドでのコンビネーションによる崩しに拘泥することを見据えての守備だと考えられます。

このように名古屋の選択肢を消していき、ミスや苦し紛れのパスを奪って、1トップをサイドに流れさせてボールを敵陣に送り、その間で無尽蔵のスプリントで全体陣地を回復させるというのが一連の狙いです。

 

この、最終ラインはマンツーマン、ボールホルダーには狭いゾーンプレスでペナ角ハーフスペース侵入を消すやり方ですが、名古屋グランパスに精通している方ならどっかで見たことある!?って思いませんでしたが??

 

そうです。昨シーズン、J2のあるチームが同じような仕組みで名古屋のポゼッションを無効化させていました。

詳細はこちらのブログを。

 

hardworkers2011.hatenablog.com

 

ちょっと話が逸れますが、菅原とホーシャをスタメンに選んでる理由はこの辺にもあると思っています。

つまり、被カウンター時に広大な横幅エリアを一人でカバーできる走力・俊敏性がまずベースとして求められ、その上でデュエルの精度がどうか。というところです。

名古屋のCBに求められる守備能力は、組織の中でチャレンジアンドカバーをこなせる人材というよりは、多少荒くても、思い切りがよくて、賢明な判断ができ、一人で局面に蓋ができるフィジカルな選手ですね。

そういう意味で菅原は大したもんだと思いますよほんと。

 

【結果:名古屋のプレーエリア】

あまり対策を講じてこなかったガンバ戦(3ー2で勝利)

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中央エリアでの攻撃割合も高く、インサイドハーフとシャドーの距離感もハーフスペースで得られていますね。

 

少し対策の色が見えたが、初顔合わせの磐田戦(1−0で勝利)

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中央エリアでの攻撃割合はキープしているものの、ガンバ戦に比べて、長谷川アーリアジャスールのポジションが低く、ダブルボランチ気味になっています。シャビエルと青木亮太のポジションも少しサイドに追いやられていますね。

 

がっつり名古屋対策をし、かつ昨シーズン対戦経験がある湘南戦(0−0)

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まず中央エリアでの攻撃割合が一気に減っていますね。

また、宮原を含めて名古屋の右サイドのプレーエリアが低くなっていて、左右のバランスが悪いです。そしてインサイドハーフとシャドーの選手がハーフスペースでプレーできていないこともわかりますね。

 

最後に和泉の試合後のコメントです。

https://www.targma.jp/akasyachi/2018/03/11/post38595/

 

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・少しサイドに人数をかけすぎた

ジョーをシンプルに使ってもよかった

 

しっかりと現状を把握できているのは安心です。

 

【まとめ】

主に湘南の敵陣・自陣における守備戦略について考察しました。

名古屋のストロングは、サイドを起点に斜めにハーフスペースに侵入して、中央で仕留める。ここをどう抑えるかがポイントでした。

逆に名古屋のウィークネスは、大きい展開、目先を変える展開がなく、足元から足元へのパス交換を繰り返すこと。(ただこれは、風間監督から言わせればストロングなんですけどね。)

この名古屋の長短所を織り込み、自分たちの長所(スプリント力、プレッシング)をエッセンスとして名古屋対策を考えてきたわけです。

ただ、湘南に足りなかったのは、フィニッシュの精度です。ここは札束で解決できないチーム事情もあるでしょうが、やや物足りない部分ですね。。

他のチームは、名古屋に対してどのようなスタンスで臨んでくるかはわかりませんが、この湘南のアプローチは大いに参考になったはずです。

 

チョウ監督のコメントにもあったように、湘南は「湘南スタイル(我々の武器)を出して戦えていた。」

それに対して、名古屋も自分たちの武器で立ち向かった。矛と矛がぶつかり合ったことで、ゲーム自体はスコアレスドローでしたが、内容としては非常に濃いものを見せてもらった気がします。

 

きっと名古屋は今進めているプロジェクトの精度を上げることを目指すのだと思います。

こうした湘南のような対策に対して、どれだけ自分たちの矛を磨き続けることで打破できるのか。それともJ1仕様の新しい矛を実装するのか。今後も目が離せません。

7年目の今日、あえて転載「3度目の3月11日を仙台で迎えて思うこと」

今日は3月11日ですね。あの日から7年経ちました。

あれから色々ありました。

名古屋グランパスの一ファンとして、そして奇しくも2011年から仙台に住むことになって今に至る一東北民として

改めて、4年前の今日、自分がある媒体に書いた記事を転載することで、

「まだ終わっていない」ということと、「乗り越えていかなければならない」ということを再確認したいと思います。

 



今週、東日本大震災からちょうど3年が経ちました。

あまり個人的にこの話題に触れることは避けていた所もあるんですけど、

自分の中で気持ちを整理しておきたいこともあり、今回はフットボールに絡めて更新します。お付き合いください。


2011年の3月11日、私は14時46分は清水の三保の松原にいました。

その日は熱海の温泉に泊まり、翌日仙台で行われるベガルタ仙台vs名古屋グランパスを観戦しに、

仙台に向かう旅程でした。

未曾有の大災害ということで、もちろんJリーグも中止になり、

私個人もこれ以上北上するのは無理だったので、

実家の岐阜に引き返しました。

もし仙台で泊まることになっていたら、震災の日が1日遅かったら…

といろいろたらればを考えるときりがありません。


で、その年の7月に、諸事情により、仙台に引っ越すことになりました。


個人的に運命めいたもの、宿命めいたものを感じました。


そこで出会ったのがベガルタ仙台でした。


もともと学生時代にユアスタにはグランパスの応援として訪れたことがありました。


テレビで観てても、現地に行っても、非常に熱いサポーターで、素晴らしいスタジアムの雰囲気だと感じていました。


仙台に住むようになって、自然とベガルタに触れる機会が増えて、


気がつけば毎試合ユアスタに足を運ぶようになっていました。


「東北の希望の星となる」


この合言葉を胸に、2011年は4位、2012年は2位と大躍進しました。


私が一番気にかけているクラブは、小さい頃から名古屋グランパスですし、それは今後も変わらないでしょう。


でも私は仙台にいる限り、そして仙台を離れても、


ベガルタ仙台をきっとずっと愛し続けるのだと思います。


いや、私が本当に愛しているのは、ベガルタ仙台ではなく、


ベガルタ仙台のサポーターの皆さんです。


仙台に実際に住んでいるからこそ、どれだけあの震災からここまで立ちなおすことが、


ハード的にも、ソフト的にも厳しいことだったのか。


実際に仙台でお世話になっている周りの方達が被災しているわけですからよく知っているつもりです。


そんな彼らが、ここまで前を向いて、懸命に今を生きている姿に私は何度勇気づけられたか。


マスコミは、「何万人が死んだ」とか、「何万人が行方不明」だとか、


数でものを語ります。


我々は幸いにも戦争を経験したことはありませんし、身近に紛争が起きてもいません。


死に対する気持ちの重みは、私個人も非常にぬるいものがありました。


でも、仙台に来て、「1つの死という悲劇が○万回起きている」という考え方に変わりました。


死ぬということが、生きるということがどれほど尊くて、儚いものなのか、


仙台に来たからこそ、学ぶことができました。


それと同時に、これまでいい加減に1日1日を過ごしてきたことをとても悔いるようになりました。



ユアテックスタジアム仙台は、生きる喜びに最も溢れたスタジアムだと思います。


2011年3月12日(土)の、ベガルタvsグランパスを楽しみに、


仕事に、学校に臨んでたにもかかわらず、観ることを許されなかった方たち。


そのゲームどころか、一生ベガルタの試合を観ることができなくなってしまった方たちの分まで、


目の前のベガルタの躍動を、1分1秒を心の奥底まで楽しんでやろう、味わってやろうという生きる尊さに溢れたスタジアムであり、サポーターなんだと思います。


私個人も、ベガルタのゲームを観たくても観られない多くの犠牲者の方々の分まで、


目の前の選手たちのプレーを焼き付け、


そもそもフットボールを楽しむこと、


ひいてはフットボールにかかわる1分1秒を大切にしようという気持ちで毎日過ごしています。


必ずベガルタのゲームを観る前には、祈りを捧げるようにしています。


今自分がこうして健康に、ベガルタ仙台と関われることは本当に幸せなことだと感じますし、


実際に仙台で被災されて、私の数万倍も辛い思いをされてきたベガルタサポーターの方々に対して、


今後も敬意を表していきたいとおもいます。


3月11日を迎えて、あの日のことを今一度日本全体が思いだして、風化させないことはとても大切なことですし、


今後も続けていかねばなりません。


でも本当に大切なのは、この気持ちを、例え4月11日でも、5月4日でもなんでもいいです。


いつでも各々の心の中に持ち続けていることこそ大切なのではないでしょうか。



私は、ユアテックスタジアム仙台に行くことで、この気持ちを思い出させることができ、


再確認することができます。


ベガルタ仙台の選手たち、そしてサポーターの方々には本当に多くの勇気をいただいています。


私は仙台に住んでいることを誇りに思いますし、


こうして彼らと関われていることを本当に幸せに思います。



明日のガンバ戦も、


フットボールが観られる喜び」を、ベガルタサポーターのみなさんと共有するため、


生きている価値を再確認するために、私はユアテックスタジアム仙台に向かいます。



ユアテックスタジアム仙台は、フットボールを愛する喜びに溢れた素晴らしい空間です。


これまでも、これからも。

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「全ての仲間にありがとう。故郷を取り戻すまで俺達は負けない!」

 

最後に、本震災で亡くなられた方々に対して、心からご冥福をお祈りいたします。

 

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