来シーズンの名古屋グランパスの補強を考える

【前置き】

まだ昇格プレーオフの決勝が今週末(12月3日)に残ってはいますが、レギュラーシーズンを3位(勝ち点75 得点85 失点65)で終えた名古屋グランパス

今シーズンから風間八宏氏を指揮官に迎え、メンバーの多くが入れ替わった今シーズンの名古屋でしたが、「1年目にしては上出来ではないか!」という評価もあれば、「85得点もしていて、自動昇格できないのはいただけない!」という声も聞かれます。

評価の良し悪しは人ぞれぞれですが、上記の数字が表すように、非常に特徴的なチームでありました。

本ブログでは、まだ1試合残してはいますが、今シーズンの風間体制をヒントに、来シーズンの補強ポイントを簡単に考えてみました。

 

なお、私は名古屋グランパスファンなので、週末の決勝は勝つものと信じ、来シーズンはJ1で戦うことを前提に考えてみます。この点、アビスパ福岡ファンの方々にとっては申し訳ないのですが、ご容赦ください(笑)

また、来シーズンも風間監督体制が続くという前提で考えています。

この2点を、どうぞお含みください。

 

【私が考えた今シーズンの理想布陣】

守備時(5−2−3)

f:id:hardworkeers2007:20171128193951j:plain

攻撃時は、1−3−3−3

f:id:hardworkeers2007:20171128194423j:plain

 

メンバー編成は、終盤の固定メンバーで組んでいますが、私は風間監督の志向するスタイルを考えた時、3-4-3が最も効果を発揮できたゲームが多かったのではないかと考えます。

理由は以下の3点です。

・中盤に人を増やすことができる

・1トップ2シャドーの人選によって、フィニッシュの形の選択肢を多く持てる

・被カウンター時に、最終ラインを常に3人でカバーできる

 

横浜Fマリノスから途中加入した新井が守備において大車輪の活躍をしていましたが、彼が怪我のため離脱したことで、4-4のブロックを作って守備をする方策に切り替えざるを得なかったのですが、夏場の好調時を支えたこの3-4-3システムが一番個人的にはしっくりきています。

さて、ではこの基本布陣をベースに、攻守両面におけるSW分析をしていきます。

 

【攻撃における強みと弱み】

<強み>

・ガブリエル・シャビエルと青木亮太のタンデム。

J2では反則級のクオリティを以て、まさにゲームを支配していました。ここに人数と神経を割くことで、逆サイドのマークや中央の田口泰士への警戒が弱まり、波状攻撃を仕掛けることも可能でした。

・縦軸レーンの共有化が生まれ、ポジショナルプレーによってボールを効果的に運び、保持できる。

青木亮太や、佐藤寿人はしばしば中央に絞ったり、最前線でプレーしたりなど、ポジショニングが流動化されます。名古屋の特徴は、このシャドーポジション(4バックであればサイドハーフのポジション)の2人のポジショニングが基準となり、他の選手のポジションが規定されることです。

上記の2人が中央に絞れば、大外のレーンを宮原和也櫛引一紀がオーバーラップして活用したり、ボランチの2人が大外レーンに入り崩しの局面でパスの逃げ場になったり等、です。

ただこれは守備の弱みに繋がるのですが、このレーンの共有化はシステマティックに行ってはいなさそうだという点がポイントです。

つまり、あくまでも個人あるいはユニット間の判断によってポジショニングが規定されているため、しばしば埋めるべきレーンを埋めず、カウンターを食らうシーンが多いのです。

・個人能力

特にシモビッチのキープ力とシュートテクニック、フィジカルの強さ

シャビエルの左足の精度とボール扱い、更には敏捷性

青木のドリブル突破とシュートテクニック

田口と小林裕紀のダブルボランチが奏でるゲームメイク力

これらはJ1のトップレベルのチームに対しても即通用すると思われます。

・高い位置からのプレッシングも、ポジショニングと人数確保によって、回避することができる。

<弱み>

・ワシントンと櫛引のビルドアップ能力

永井龍杉本竜士等、攻撃陣の控えの選手が、風間監督のスタイルにイマイチフィットできていない(途中交代してからの停滞感)

・しばしば、ボールを動かす距離が短いままになり、ノッキングを起こす(ここはシモビッチ起用によって解消されつつある)

・右利きの選手が多いため、ビルドアップにおけるボール循環に偏りが見られる。結果、和泉のところが標的になりやすくなる

 

 

【守備における強みと弱み】

<強み>

・人数をかけて攻撃しているので、奪われて取り返しに行こうとする瞬間の人数は確保されている

・小林と宮原の気の利き具合

 

<弱み>

・組織的にネガティブトランジションを設計していないので、被カウンター時にしばしば明けてはいけないエリアを明け、最終ラインが剥き出しになる。(ワシントンと、頑張って戻ってきた両サイドのCBやボランチの選手等、少ない人数でカウンターを受けることがある)

・最終ラインに本職が1人しかいない

・両WBの守備力の低さ

・そもそも、全体的な組織戦術の乏しさ(相手に合わせたポジションと人数だけを与えて、後は個人ユニット間での判断任せ)

・前線の選手たちの1st守備の定まらなさ

 

【攻撃面での補強ポイント】

以上を踏まえて、攻撃面での補強ポイントを挙げるとすると、こんなところでしょうか。

佐藤寿人をサブに回せる、シャドーとワイドを高い次元でこなせるアタッカー

→ここに関しては、契約は残しているものの、フェリペ・ガルシアを放出して外国人枠を空けて、助っ人を獲得するという方法も予想されます。

J1に戻ることができれば、他のJクラブからの引き抜きもしやすくなります。イメージとしてはレナトラファエル・シルバのような選手を個人的にはイメージしています。

日本人選手だと、降格した新潟と大宮から、山崎亮平江坂任を獲得するのも良いと思います。個人的には神戸の小林成豪選手は合うんじゃないかと思っています。

また、川崎時代に風間監督のもとでプレーしていた仙台の中野嘉大もアクセントになると思います。また、徳島にレンタル中の杉本太郎や鹿島の安部裕葵はアマ時代からの一押し選手です。

ただ、「杉森考起の成長」がグランパスファンの私にとっては最大の補強であることは言うまでもありません!(笑)

 

・左利きのCB(もしくは左利きのボランチ

→ここは日本全体を見渡しても、人材難と言われて久しい部分です。

風間監督の川崎時代の補強を見ていても、こここそ外国人枠で補うべきかもしれません。

J1で戦うには、左足のテクニックやフィード力はあるに越したことはないですが、まずに何よりも守備力が求められるポジションです。

そう言う意味で考えても、やはり人材難ですね。。J2でも何人か対戦する中で気になった左利きのストッパーはいましたが、J1で戦える守備能力かと言われると??です。。

 

ということで、個人的な願望を話させていただくと、札幌の福森晃斗甲府のエデル・リマは良い選手だと思います。獲得の可能性はさておき、柏の中山雄太はクオリティが高いですし、鹿島の町田浩樹も将来性があります。ヴェルディの平智広や、湘南の杉岡大暉も良い選手ですね。徳島の井筒陸也も好きです。

左利きのボランチだと、来季から正式加入の秋山陽介、あるいは矢田旭をレンタルバックし、育てていく方法もあり得ます。一押しは仙台の三田啓貴です。新潟の加藤大小林裕紀の後継者になれる素質はあると思います。湘南の秋野央樹も素晴らしい選手だと思います。

 

【守備面での補強ポイント】

最後に、守備面での補強ポイントを挙げてみました。

・守備力がベースにあった上で、ボール扱いにも及第点を与えられる選手

→上の攻撃面での補強ポイントに被る点が多いです。やはり、スケール的には外国人枠での補強が考えられそうです。

・守備でのインテンシティも示すことができる、攻守においてクオリティを担保できるWBタイプの選手

→J1だと、昨シーズンも獲得に動いたと言われる鳥栖吉田豊は最適だと考えます。J2から挙げるとすると、ヴェルディのアンザイコンビや、徳島の馬渡和彰も良いかもしれません。守備目線で見ると、少しJ2のWBの選手たちは厳しい気もします。

・最低限の守備戦術!!!(笑)

 

【まとめ】

ツラツラと希望的観測を書き連ねてきました。

ここまで一度も言及してきませんでしたが、あえて書きます。

まずは何よりもレンタル組の残留(完全移籍もしくはレンタル延長)が最優先事項です!!

 

攻撃面では、シャドーとウイングを担える助っ人級のアタッカーと左利きのCBあるいはボランチ

守備面では、守備力をベースに、ビルドアップにも関われるCBとWB。そして何よりも中盤に空洞を作らない守備戦術。

といったところでしょうか。

皆様の暇つぶしになったならば幸いです。

ではまた!