ジョーに千本クロスを上げた方がいい4つの理由

【前置き】

 

先制点を取られ、反撃の狼煙を上げたところですぐに追加点を奪われ、

そして試合終了間際にトドメの一撃を食らってknock outっていうパターンで苦しむ名古屋グランパス

攻撃偏重でチーム作りをしてきたのにも関わらず、中々形を作れない。

そして失点だけがかさんでいくという悪循環に陥っています。

フットボールラボ

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のデータによると、ここまでのリーグ戦を通じて

ボール保持率:52.7%(5/18位)

攻撃回数:128.9回(7/18位)

ということで、ボールはある程度保持でき、攻撃の局面自体は少なくはないという現状が見て取れます。

が、課題はここから。

平均シュート数:11.0回(14/18位)

チャンス構築率:8.5%(15/18位)

シュート成功率:8.2%(14/18位)

1試合平均ゴール数:0.9点(13/18位)

ということで、ボールは持てるが、フィニッシュまでは持ち込めていないことがなんとなく読み取れます。

ちなみに、ここまでの名古屋グランパスのゴールの内訳ですが

PK:1点(11.11%)

セットプレーから:3点(33.33%)

クロスから:2点(22.22%)

ルーパスから:1点(11.11%)

こぼれ球から:1点(11.11%)

その他:1点(11.11%)

ということで、ショートパスからのゴールが1点もありません。

 

取り組んでいることと、結果が明らかに結びついていないことが上記のデータからも垣間見えてしまいました。

逆の視点で見れば、相手にとって今の名古屋グランパスは対策しやすいチームと言えます。

ビルドアップ制御に対してはそこまでリスクをかけず、ミドルサードからアタッキングサードにかけて組織的守備からボールを奪い、(ミスを誘発する)

奪ったボールを素早く縦に展開してカウンターを発動させる。

自陣での守備についても、基本的には狭いエリアでのショートパスを押さえておけば、背後や逆サイドへの展開(要は背中を取られる展開)は無いので、守りやすいということです。

 

指揮官はどう対応していくのかという点については、

7連敗した、昨日の清水戦後の風間監督の試合後のコメントを参照してみたいと思います。

やはり、個人のところをもっともっとシビアに育てていかなければいけないんで、そういう意味では競争がまだまだ足りないチームだと思いますし、若い選手も多いですけど、その中でシビアに、自分たちがこのような姿でいるんだというところをもっと認識すれば、いろんな対象が個人にとって出てくると思います。チームで大きくやられているわけではないので、そこのところは個人個人の力量をもっと上げていくこと、これが我々の仕事だと思います。

nagoya-grampus.jp

 

ということで、個の質を上げていくことに終始していますね。多分変わらないと思います。

そして我々が応援するクラブは、そういう指揮官を迎えて、そういうチーム作りをしていくことをステークホルダーに宣言しているわけです。

なので、黙って応援するしかないのです。

 

ここで、私はあえて提言したい。

ジョーに千本クロスをあびせろ」と。

 

【理由その1:効率的だから】

名古屋グランパスが苦しんでいるのは、主にビルドアップした次の段階

つまり、相手を動かして自分たちのプレースペースを創造し、それを活用してフィニッシュまで持ち込むという、具体的な攻撃の構築にかかるフェーズです。

サイドのある程度の位置までボールを運ぶことはできています。

そこから先で苦しんでいる。

なら、省略しちゃえば?

っていう極めて単純な話です。そうすりゃ悪い奪われ方もしないし、全体がジョーへのセカンドに集中できるので、ゲーゲンプレスも中央でかけられます。ボール奪取にももしかするといい影響を与えるかもしれない。

現に、トップに早めにボールを当てて、そこのこぼれを組織的に活用するスタイルのチームは欧州にも存在します。

 

【理由その2:ジョーがすごい選手だから】

最近流行りの言葉を使うと、ジョーの「質的優位性」を活かそうよって話です。

あの体格、キープ力、フィジカル、高さを使わない手はないでしょう。

風間監督は、まだ彼のコンディションが上がりきっていないとコメントしていました。

確かに見ていてもまだまだだなぁとは思います。

純粋なミスが多いですし。(そのシュート外す!?とか、そのトラップミスっちゃう!?みたいな)

それでもですね、「打てなくても足と守備にスランプはない」と野球界で言われるように、「コンディション上がらなくても高さ(運動範囲を狭めた状態でのフィジカル面)にスランプはない」のです。

基本的にJ1のチームは4バックが多いです。

しかも広島を除けば、CBタイプを2人置くパターンがほとんどなので、基本的にジョーに対しては1人が当たり、もう1人がカバーリングする形で対応してきます。

なので、例えばジョーの近くにガブリエル・シャビエルがいれば、局地的には数的同数の局面を作ることも十分に可能です。

しかも、ジョーとシャビエル、ここ、名古屋の最大の武器ですよね。

風間監督のスタイルからすれば、決して綺麗ではないかもしれないけど、4バックのチーム相手には、チャンスは作れそうですよね。

 

【理由その3:それが囮になるから】

こういうパターンもある。と、相手に示すだけでも、全然違う局面が作れそうじゃないですか?

サイドでボールを持った時、センタリングが頭にあれば自然と相手守備陣はラインを下げますし、ボランチもカバーのために下がります。そうすればバイタルエリアが空きます。

また、ボールを持った選手に対する対応も、センタリングを頭にチラつかせることによって、縦に抜きやすくなります。そのことでまた違った局面が生まれます。

また、ジョーの周辺にマークや意識が集中すれば、自然とファーサイドは隙が生まれます。

そこにダイアゴナルに展開したり、あえてファーの長谷川アーリアジャスールに合わせて折り返しを狙ったり、攻撃の幅は広げようと思えばどれだけでも広げられます。

 

【理由その4:それがひいては名古屋の武器を発揮することに繋がる(かもしれない)から】

今、「名古屋はサイドでこねくり回すだけだ」と思われているからこそ、打開に苦しんでいるのです。(風間監督は、それでもそこを突破しろというスタンスだということは十分に理解はしてますが笑)

でも、ジョーの活用を踏まえて作ったサイドでの局面は、以前のそれよりも相手のプレッシャー(意識)や人数は多分弱まっています。

また、ジョーを使ったことによって、よりゴールに近い位置でボールを持てた時こそ、より「今名古屋グランパスが取り組んでいること」が出しやすい状況を作れると思いませんか?

 

何のためにパスを繋ぐのか。ボールを保持するのか。それはゴールを取るために他なりません。手段を目的にすり替えてはいけません。

 

「今ジョーにクロスを当てたらチャンスになりそうだけど、それはうちのスタイルじゃないからとりあえず近くのあいつにつけるか」っていう目的→手段の最悪な発想転換が行われてしまっている気がしてなりません。

 

しかも、連敗しているという、お世辞にもいいとは言えないチーム状況の中で、コンセプトに合わないプレーを選ぶことは意外と気持ちの部分で負荷だったりするんですよね。それにそぐわないことをして、失敗して、点取られたらどうしようって絶対になるんですよ。若いチームだし特に。

 

ジョーに当てて、そこでセカンドを死に物狂いで拾って、よりゴールに近い位置で培ってきたユニットでの剥がし、裏取りを発揮すればいいんです。

よりゴールに近い位置で行えば、例えミスしたり、相手にボールを奪われても、自分たちのゴールからはかなり遠い位置でネガティブトランジションを始めることができます。

 

そもそも、シャビエル、青木亮太、和泉竜司にゴール近くでテクられた方が相手は嫌ですよ。

 

でも、ピッチ中央で背を向けてボールをキープしに行ったり、後ろ向きでボールを受けたりする彼らは、彼らの魅力や能力を半減させてしまうだけです。

イコールそこが、相手にとっての奪いどころにもなってしまっていますしね。

 

ピッチの全箇所で「止めて蹴って繋ぐ」を発揮する必要はないんですよね。

点を取るためにより効果的な位置で、武器を適切に使う。当たり前のようでなかなか難しいものです。

 

【まとめ】

以上が、私がジョーに千本クロスを上げた方がいい4つの理由です。

別に本当にそうなってほしいとは思いませんが、とにかく、選手たちには改めて、

点を取るためにプレーしてほしいです。

「自分たちのサッカーを思い出して、勝とう」なんて思わなくていい。

なぜなら、自分たちのサッカーでまだJ1を経験したことがないんだから。

勝つためにサッカーしてるんだから、勝つ経験を増やしていくことで、自然と自分たちのサッカーは見つかっていくものです。

決めたスタイルをとことん突き詰めるのもそれはそれで人生だし、フットボールの在り方だし、結構ですが、

勝つためにやっているということだけ、忘れないでほしいなと思います。

あとは楽しむことも大事です。

でも、結果を出せないと楽しくなくないですか?

そんなに慌てなくても、フットボールは逃げていきませんから、

相手を分析して、勝てるポイントを押さえながら、結果にこだわっていく中で、自分たちのソフトをゆっくり磨いていけばいいですよ。

いうて、チームができてまだ20年強。このスタイルに取り組んで2年目なんですから。

 

「More haste less speed.」ですね

 

 

 

 

 

【理由その5:3億5千万円ももらってるんだからとことん使い倒すべき】