湘南戦を題材に、名古屋グランパスの対策方法を考える
【前置き】
J1に復帰して、リーグ戦3試合を終え2勝1分とまずまずのスタートを切った名古屋グラパス。
ストーブリーグでの大型補強によって、開幕前からかなり注目されていましたが、現状は及第点を与えてもいいのではないでしょうか。
そんな中で、先日の湘南戦(結果は0-0)で感じた、名古屋の攻撃における課題を、湘南が講じてきた対策を踏まえて考えてみたいと思います。
色々書きたいことはありますが、今日は1点に絞ります。
【ズバリ、対名古屋で効果的な方策とは??】
今日は結論から書きます。
「中央(及びハーフスペース)で前を向かせない(使わせない・侵入させない)」ことです。
当たり前やん!?と思うかもしれませんが、難しいんですよね。
そのために湘南が行なった方策を名古屋にとっての自陣、敵陣それぞれ見てみます。
【名古屋の自陣における、湘南の守備】
ポイントは以下の2点です。
1.中央のコースを切りながらプレッシングを仕掛け、ボールをサイドに追いやる
2.ゴールに対して後ろ向きの選手へのパスを誘導し、前向きな状態で奪ってショートカウンター
この2点を湘南は徹底していました。
名古屋にとって角度を付けた前方へのパス(斜め方向のパス)の選択肢を消していくことで、最終的に縦にボールを出しても受け手の状況を不利にさせることができます。
湘南としては、後ろ向きの選手に対して、前向きにボールを奪いにいけるので、その勢いをそのまま用いて縦に速いカウンターを繰り出すことができますし、全体をそのまま押し上げることができるので、ゲーゲンプレスを発動させることができます。
この2点を徹底したことによって
・角度を付けたパスコースを消し
・後ろ向きの選手を作り
・そこにパスを誘導して、前向きに奪ってそのまま縦にカウンター
をうまく発動させることができているシーンを2つご覧いただきます。
名古屋自陣での湘南のプレッシングからの逆襲① pic.twitter.com/1lmMzWxsm9
— 素材 (@blog_hardworker) 2018年3月12日
名古屋自陣での湘南のプレッシングからの逆襲② pic.twitter.com/cQEE4IbDNV
— 素材 (@blog_hardworker) 2018年3月12日
①の方を少し切り取ってみました。
見辛いので申し訳ないですが、ボールを持っているのがアンカーポジションの小林です。
湘南を最前線の選手からチェックしていきます。1トップのイ・ジョンヒョプが、ホーシャへのパスコースが切れるポジションに立ちつつも、菅原へのアプローチも可能な位置で牽制しています。
ボールホルダーの小林には左シャドーの松田天馬が左側への角度を付けたパスコースを消しながらプレッシャーをかけています。
名古屋のインサイドハーフに対してはボランチの石川俊輝と、右シャドーの菊地俊介が前向きで捉えられる位置に張り付いているのがわかると思います。
そして、一番奥ですが、名古屋の右SB宮原に対しては、左WBの杉岡大暉が最終ラインから大きく前に出てアプローチをしています。
つまり、セットした状態では5バックで守る湘南ですが、高い位置から守備をする際はボールサイドのWBが一列上がり、後ろをそれぞれスライドさせて4バックに変えてプレッシングをしています。このスライド、どうでもいいように見えますが、後々効果を発揮するんです。ここ、ポイントです。
一人余ったボランチの秋野央樹は中央のスペースを埋め、バランスをとりながら、常に名古屋の背後のスペースを狙います。
湘南の選手たちの陣形を見たらわかると思いますが、かなりボールサイドに偏っていますよね。絶対に中央を使わせない。斜めパスを入れさせず、ボールを前向きで奪うことの徹底が見て取れます。
このようにジリジリと選択肢を消されていった名古屋は、窮屈なパス交換の後、小林がワンタッチで右サイドにいるシャビエルに縦パスを通します。
名古屋的には、厳しいプレッシングから、ボールを縦に出したんでしょうが、湘南は実はこれを狙っています。
試合中に解説の戸田さんが言ってましたが、角度のない縦パスはリスクがあるんですね。縦パスが全て良いとは限らないのです。横を使って相手を食いつかせて角度を作るビルドアップは、グアルディオラ監督のチームやナポリが得意としているプレーですね。
で、シャビエルにボールが出ます。
先ほどポイントと申し上げた最終ラインのスライドがここで活きてきます。
左CBである山根視来がスライドしてきたことによって、シャビエルに対して前向きにアプローチができました。
このスライドが少しでも遅れたら??魔法使いを前向きでフリーにさせたら間違いなくハーフスペースから中央にボールを運ばれて、しかも湘南は前向きの守備陣形をとっているため、一気にピンチになりそうですよね?
だからこそこのスライドがポイントなんですね。
で、後ろ向きで受けたシャビエルに対して、最終ラインの選手の山根がハーフラインを越えるところまでついていき、デュエルを作ってボールを前向きに奪います。
前向きにボールを狩れていますから、当然湘南の選手たちはそのまま前に、名古屋の選手は背中を取られる形になります。
この後、前線でパスコースを切っていたイが名古屋の最終ラインの裏を突く動きをして、それに合わせてフィードし、ボールを一気に前進させます。
結局このプレーでは、湘南はボールをフィニッシュまで持っていくことができませんでしたが、奪った瞬間、シャドーの両選手のみならず、守備に関与していない逆サイドのWB高山薫が怒涛のスプリントを見せてゴール前に雪崩のように侵入していくのがいわゆる湘南スタイルですね。この試合の高山のスプリント数は30を超えていました。当然出場選手の中でダントツの1位です。
ここでのポイントは、「奪ったボールをなるべく早く敵陣奥に運ぶ」ことです。
これによって、名古屋の最終ラインは深く下がることを強いられる結果、陣形を間延びさせることができるので、その後の名古屋のパス回しを遮断することにも繋がります。
斜めを使わせない前向きなプレッシングのみならず、その後のカウンターの形も含めて、名古屋の良さを自分たちの良さを用いて消していくというコンセプトが随所に現れていました。
試合後、CBの菅原由勢も「間延びしてしまった」とコメントしていました。
【湘南自陣での守備】
名古屋にハーフコートを越えられたら、湘南は、先ほどの前がかりな陣形が嘘かのように、1トップを残して全員が自陣深くに引きます。
しかも、5バックにありがちな5-4-1の3ラインを形成してゾーンを埋めるのではなく、こういう形を作ります。
自陣での湘南の守備陣形 pic.twitter.com/Tl3cxQ8vK4
— 素材 (@blog_hardworker) 2018年3月12日
切り取るとこんな感じです。
・名古屋の3トップに対して、3バックがほぼマンツーマンで対応しつつ、ボールサイドのWBがボールホルダーに対応し、逆サイドのWBは最終ラインのフォロー。
・ボランチの片方が、マンツーマンによって空いてしまういわゆる「ペナ角」のスペースを埋める。
・もう片方のボランチとボールサイドのシャドーの選手が、ボールホルダーへの囲い込みに参加
・逆サイドのシャドーの選手がペナルティアーク付近に位置して、中央エリアを監視。
これらの複合的な仕組みによって、名古屋が最も得意とするコンビネーションからのペナ角侵入と、ハーフスペース攻略を無効化します。
これは、名古屋が一発のサイドチェンジはせず、あくまでもボールサイドでのコンビネーションによる崩しに拘泥することを見据えての守備だと考えられます。
このように名古屋の選択肢を消していき、ミスや苦し紛れのパスを奪って、1トップをサイドに流れさせてボールを敵陣に送り、その間で無尽蔵のスプリントで全体陣地を回復させるというのが一連の狙いです。
この、最終ラインはマンツーマン、ボールホルダーには狭いゾーンプレスでペナ角ハーフスペース侵入を消すやり方ですが、名古屋グランパスに精通している方ならどっかで見たことある!?って思いませんでしたが??
そうです。昨シーズン、J2のあるチームが同じような仕組みで名古屋のポゼッションを無効化させていました。
詳細はこちらのブログを。
hardworkers2011.hatenablog.com
ちょっと話が逸れますが、菅原とホーシャをスタメンに選んでる理由はこの辺にもあると思っています。
つまり、被カウンター時に広大な横幅エリアを一人でカバーできる走力・俊敏性がまずベースとして求められ、その上でデュエルの精度がどうか。というところです。
名古屋のCBに求められる守備能力は、組織の中でチャレンジアンドカバーをこなせる人材というよりは、多少荒くても、思い切りがよくて、賢明な判断ができ、一人で局面に蓋ができるフィジカルな選手ですね。
そういう意味で菅原は大したもんだと思いますよほんと。
【結果:名古屋のプレーエリア】
あまり対策を講じてこなかったガンバ戦(3ー2で勝利)
中央エリアでの攻撃割合も高く、インサイドハーフとシャドーの距離感もハーフスペースで得られていますね。
少し対策の色が見えたが、初顔合わせの磐田戦(1−0で勝利)
中央エリアでの攻撃割合はキープしているものの、ガンバ戦に比べて、長谷川アーリアジャスールのポジションが低く、ダブルボランチ気味になっています。シャビエルと青木亮太のポジションも少しサイドに追いやられていますね。
がっつり名古屋対策をし、かつ昨シーズン対戦経験がある湘南戦(0−0)
まず中央エリアでの攻撃割合が一気に減っていますね。
また、宮原を含めて名古屋の右サイドのプレーエリアが低くなっていて、左右のバランスが悪いです。そしてインサイドハーフとシャドーの選手がハーフスペースでプレーできていないこともわかりますね。
最後に和泉の試合後のコメントです。
https://www.targma.jp/akasyachi/2018/03/11/post38595/
・少しサイドに人数をかけすぎた
・ジョーをシンプルに使ってもよかった
しっかりと現状を把握できているのは安心です。
【まとめ】
主に湘南の敵陣・自陣における守備戦略について考察しました。
名古屋のストロングは、サイドを起点に斜めにハーフスペースに侵入して、中央で仕留める。ここをどう抑えるかがポイントでした。
逆に名古屋のウィークネスは、大きい展開、目先を変える展開がなく、足元から足元へのパス交換を繰り返すこと。(ただこれは、風間監督から言わせればストロングなんですけどね。)
この名古屋の長短所を織り込み、自分たちの長所(スプリント力、プレッシング)をエッセンスとして名古屋対策を考えてきたわけです。
ただ、湘南に足りなかったのは、フィニッシュの精度です。ここは札束で解決できないチーム事情もあるでしょうが、やや物足りない部分ですね。。
他のチームは、名古屋に対してどのようなスタンスで臨んでくるかはわかりませんが、この湘南のアプローチは大いに参考になったはずです。
チョウ監督のコメントにもあったように、湘南は「湘南スタイル(我々の武器)を出して戦えていた。」
それに対して、名古屋も自分たちの武器で立ち向かった。矛と矛がぶつかり合ったことで、ゲーム自体はスコアレスドローでしたが、内容としては非常に濃いものを見せてもらった気がします。
きっと名古屋は今進めているプロジェクトの精度を上げることを目指すのだと思います。
こうした湘南のような対策に対して、どれだけ自分たちの矛を磨き続けることで打破できるのか。それともJ1仕様の新しい矛を実装するのか。今後も目が離せません。
7年目の今日、あえて転載「3度目の3月11日を仙台で迎えて思うこと」
今日は3月11日ですね。あの日から7年経ちました。
あれから色々ありました。
名古屋グランパスの一ファンとして、そして奇しくも2011年から仙台に住むことになって今に至る一東北民として
改めて、4年前の今日、自分がある媒体に書いた記事を転載することで、
「まだ終わっていない」ということと、「乗り越えていかなければならない」ということを再確認したいと思います。
今週、東日本大震災からちょうど3年が経ちました。
あまり個人的にこの話題に触れることは避けていた所もあるんですけど、
自分の中で気持ちを整理しておきたいこともあり、今回はフットボールに絡めて更新します。お付き合いください。
2011年の3月11日、私は14時46分は清水の三保の松原にいました。
その日は熱海の温泉に泊まり、翌日仙台で行われるベガルタ仙台vs名古屋グランパスを観戦しに、
仙台に向かう旅程でした。
未曾有の大災害ということで、もちろんJリーグも中止になり、
私個人もこれ以上北上するのは無理だったので、
実家の岐阜に引き返しました。
もし仙台で泊まることになっていたら、震災の日が1日遅かったら…
といろいろたらればを考えるときりがありません。
で、その年の7月に、諸事情により、仙台に引っ越すことになりました。
個人的に運命めいたもの、宿命めいたものを感じました。
そこで出会ったのがベガルタ仙台でした。
もともと学生時代にユアスタにはグランパスの応援として訪れたことがありました。
テレビで観てても、現地に行っても、非常に熱いサポーターで、素晴らしいスタジアムの雰囲気だと感じていました。
仙台に住むようになって、自然とベガルタに触れる機会が増えて、
気がつけば毎試合ユアスタに足を運ぶようになっていました。
「東北の希望の星となる」
この合言葉を胸に、2011年は4位、2012年は2位と大躍進しました。
私が一番気にかけているクラブは、小さい頃から名古屋グランパスですし、それは今後も変わらないでしょう。
でも私は仙台にいる限り、そして仙台を離れても、
ベガルタ仙台をきっとずっと愛し続けるのだと思います。
いや、私が本当に愛しているのは、ベガルタ仙台ではなく、
ベガルタ仙台のサポーターの皆さんです。
仙台に実際に住んでいるからこそ、どれだけあの震災からここまで立ちなおすことが、
ハード的にも、ソフト的にも厳しいことだったのか。
実際に仙台でお世話になっている周りの方達が被災しているわけですからよく知っているつもりです。
そんな彼らが、ここまで前を向いて、懸命に今を生きている姿に私は何度勇気づけられたか。
マスコミは、「何万人が死んだ」とか、「何万人が行方不明」だとか、
数でものを語ります。
我々は幸いにも戦争を経験したことはありませんし、身近に紛争が起きてもいません。
死に対する気持ちの重みは、私個人も非常にぬるいものがありました。
でも、仙台に来て、「1つの死という悲劇が○万回起きている」という考え方に変わりました。
死ぬということが、生きるということがどれほど尊くて、儚いものなのか、
仙台に来たからこそ、学ぶことができました。
それと同時に、これまでいい加減に1日1日を過ごしてきたことをとても悔いるようになりました。
ユアテックスタジアム仙台は、生きる喜びに最も溢れたスタジアムだと思います。
2011年3月12日(土)の、ベガルタvsグランパスを楽しみに、
仕事に、学校に臨んでたにもかかわらず、観ることを許されなかった方たち。
そのゲームどころか、一生ベガルタの試合を観ることができなくなってしまった方たちの分まで、
目の前のベガルタの躍動を、1分1秒を心の奥底まで楽しんでやろう、味わってやろうという生きる尊さに溢れたスタジアムであり、サポーターなんだと思います。
私個人も、ベガルタのゲームを観たくても観られない多くの犠牲者の方々の分まで、
目の前の選手たちのプレーを焼き付け、
そもそもフットボールを楽しむこと、
ひいてはフットボールにかかわる1分1秒を大切にしようという気持ちで毎日過ごしています。
必ずベガルタのゲームを観る前には、祈りを捧げるようにしています。
今自分がこうして健康に、ベガルタ仙台と関われることは本当に幸せなことだと感じますし、
実際に仙台で被災されて、私の数万倍も辛い思いをされてきたベガルタサポーターの方々に対して、
今後も敬意を表していきたいとおもいます。
3月11日を迎えて、あの日のことを今一度日本全体が思いだして、風化させないことはとても大切なことですし、
今後も続けていかねばなりません。
でも本当に大切なのは、この気持ちを、例え4月11日でも、5月4日でもなんでもいいです。
いつでも各々の心の中に持ち続けていることこそ大切なのではないでしょうか。
私は、ユアテックスタジアム仙台に行くことで、この気持ちを思い出させることができ、
再確認することができます。
ベガルタ仙台の選手たち、そしてサポーターの方々には本当に多くの勇気をいただいています。
私は仙台に住んでいることを誇りに思いますし、
こうして彼らと関われていることを本当に幸せに思います。
明日のガンバ戦も、
「フットボールが観られる喜び」を、ベガルタサポーターのみなさんと共有するため、
生きている価値を再確認するために、私はユアテックスタジアム仙台に向かいます。
ユアテックスタジアム仙台は、フットボールを愛する喜びに溢れた素晴らしい空間です。
これまでも、これからも。
「全ての仲間にありがとう。故郷を取り戻すまで俺達は負けない!」
最後に、本震災で亡くなられた方々に対して、心からご冥福をお祈りいたします。
素材
今シーズンの名古屋グランパスの補強について振り返る
【前置き】
昨年末に、今シーズンの名古屋グランパスに必要な補強について考えてみました。
自分が考えた内容と、ストーブリーグの結果がどうであったか、一度振り返ってみます。
ご参考までに、その時に書いたブログがこれです。
hardworkers2011.hatenablog.com
【補強ポイント①:アタッカー】
「佐藤寿人をサブに回せる、シャドーとワイドを高い次元でこなせるアタッカー」
ポジションが異なりますが、ここに関しては元ブラジル代表のジョーを獲得しています。
シモビッチが大宮アルディージャに移籍したため、センターフォワードの補強が急務になったためです。
ただ、今シーズン取り組んでいると思われる4-1-2-3のシステムにおいては、ジョーを最前線に、ガブリエル・シャビエルと青木亮太をシャドーポジションに配置するトリオを第一候補に考えているようなので、結果的に佐藤や玉田圭司のような実績のある選手をサブに回すことはできそうです。
また、昨シーズンから特別指定選手としてプレーしていた興國高校の大垣勇樹の加入も正式に決まっています。
ブログ内でさらなる成長(覚醒)を願った杉森考起は町田ゼルビアに武者修行に出ることになりました。
<ブログで提案した補強選手>
・レナト(残留)
・ラファエル・シルバ(中国2部への移籍濃厚)
・山崎亮平(柏に完全移籍)
・江坂任(柏に完全移籍)
・中野嘉大(仙台に完全移籍)
・杉本太郎(鹿島→徳島へのレンタル延長)
・安部裕葵(残留)
【補強ポイント②:左利きのCB】
つい先日、クラブからリリースがあった通り、ブラジル2部GuaraniFCより、ウィリアン・ホーシャ選手の期限付き移籍加入が決まりました。
左利きのCBで、SBもこなせるとのこと。私自身全く知らない選手ですが、補強ポイントとしては合致するだけに期待せざるを得ません。
ストーブリーグ当初は、FC東京の丸山祐市にオファーするも破断という報道がありましたね。その他国内からの引き抜きはありませんでした。
<ブログ内で提案した選手>
・福森晃斗(残留)
・エデル・リマ(残留)
・中山雄太(残留)
・町田浩樹(残留)
・平智広(残留)
・杉岡大暉(残留)
・井筒陸也(残留)
【補強ポイント③:対人守備の強さをベースに、ボール扱いにも長けたCB】
最終的には、ヴァンフォーレ甲府から畑尾大翔を獲得しました。対人守備に対しては元々評価の高い選手で、本人はフィードにも自信があるとコメントしていました。
キャンプレポート等を見ると、一番風間監督のスタイルに適応が遅れている印象です。フィットするのにもう少し時間がかかるかもしれません。
CBは新井が怪我をしており、本職の選手が少ないため、早めに適応して戦力となって欲しいところです。
ここのポジションは上にも書いたように、ホーシャ選手の加入も決まっています。
また、最近のトレーニングではU-18の菅原由勢が主力組のCBに入ったとの報道もありました。
その他、報道によると、清水エスパルスに所属していた犬飼智也選手は鹿島アントラーズとの争奪戦に敗れた模様です。
総じて言えば、補強ポイントに合致した選手は獲得できたものの、クオリティという部分では正直物足りない状況となってしまっている。といったところでしょうか。
<ブログ内で提案した選手>
外国人枠での獲得(ホーシャ)
【補強ポイント④:左利きのボランチ】
ボール循環をよりスムーズにするために、左利きのMFの獲得を進言しました。
結果としては、特別指定選手で昨シーズン主力級の活躍を見せてくれた秋山陽介が、予定通り早稲田大学から加入が決まりました。が、トレーニングレポート等を読んでいると、左SBとして考えているようです。和泉竜司が中盤を務めている模様です。
また、左利きではないですが、昨シーズンから調査をしていた選手として、大宮アルディージャから長谷川アーリアジャスールへの2年越しのラブコールが通じ、獲得しています。
大黒柱であった田口泰士の穴を埋める選手として、即戦力としての活躍が期待されます。
このポイントにおいては、元々日本として人材難のポジションであるという前提を考えると、及第点といえる補強だったのではないでしょうか。既に風間スタイルを熟知している秋山、そして即戦力としての活躍が期待される長谷川、両選手については開幕戦からのフル稼働が求められます。
<ブログ内で提案した選手>
・矢田旭(名古屋→千葉へ完全移籍)
・三田啓貴(神戸へ完全移籍)
・加藤大(残留)
・秋野央樹(柏→湘南へのレンタル延長)
【補強ポイント⑤:WB】
「守備でのインテンシティも示すことができる、攻守においてクオリティを担保できるWBタイプの選手」と書きました。
結果的に、そういったタイプの選手の補強はありませんでした。今いる選手と秋山やホーシャで賄っていく形になりそうです。
元々3バックシステムをベースに補強予想をしていたので、4-1-2-3を取り組んでいる今期は、特別必要ではないという考えかもしれません。
<ブログ内で提案した選手>
・吉田豊(残留)
・安西和樹(東京V→鳥栖へ完全移籍)
・安西幸輝(東京V→鹿島へ完全移籍)
・馬渡和彰(徳島→広島へ完全移籍)
【補強ポイント⑥:レンタル組の残留】
ここに関してはほぼ100点の出来ではないでしょうか。
・櫛引一紀(完全移籍加入)
・新井一耀(完全移籍加入)
・宮原和也(レンタル延長)
・シャビエル(レンタル延長)
【その他特筆事項:ブログで言及外の出来事】
・何よりも田口の移籍ですよね。ゼロから構築してきた風間スタイルの心臓を失うのは相当の痛手であることは間違いありません。しかもJ1を共に戦う隣県のチームに、です。
彼の代わりは日本代表クラス以上の選手じゃないと務まりません。長谷川や、本格的に中盤に復帰する和泉等の奮起を含めた、「新しい名古屋の中盤の色」を創っていくことで、上積みを図りたいところです。
・ランゲラックの完全移籍加入はビッグサプライズでした。お恥ずかしながら、GKを補強ポイントとして考えていませんでした。(そもそも名古屋ファンは、楢崎正剛の存在感が強すぎるため、GKを補強すべきという考えすら浮かばない(笑))
J1をタフに戦っていくためには、GKのレベルを1ランク上げないといけないというのはその通りだと思います。オーストラリア代表ということで、アジア枠として起用できるのも大きいです。
言葉でのコミュニケーションが重要になってくるので、最終ラインの選手としっかりと連携を取れる準備を開幕までにしておいてほしいと思います。
【独りごと】
事前に予想、展望した補強ポイントに照らし合わせると、抜けた選手のマイナスも踏まえて、まずまずの補強だったと思います。点数で言えば60〜70点といったところでしょうか。
イメージ的には、ピンポイントでの補強にとどめ、レンタル組の残留を中心に現有戦力の更なる進化を狙っている感じでしょう。風間体制2年目、J1にどこまで通用するのかは未知数ですが、2月24日が楽しみですね。
最後に、現有メンバーでの個人的希望スタメンを載せて終わります。(怪我などの影響は無視しています)
名古屋グランパスの、相手を「外す」技術を切り取る
【前置き】
昨日は、名古屋グランパスの攻撃について、「ポジショニング」という観点から切り取ってみました。
hardworkers2011.hatenablog.com
「自分がここに位置する」あるいは「自分がここに動くこと」によって、ボールを持たなくても、味方に使って欲しいスペースを作ったり、パスコースを作ることができる。
それを相手の守備戦術や構造的欠陥を踏まえた上で実装していくとより良いのではないかという趣旨のことを書きました。
本日は、昨日同様2017年のJ1昇格プレーオフ決勝から、風間八宏監督の指導の効果が明らかに出ているであろうシーンを2つ取り上げました。
どちらも決定的な形を作った(作りかけた)ものの、結果には結びついてはいませんが、個人的に印象的だと思ったので取り上げます。
1つ目は単純に1人と1人計2人間でのやり取りです。
2つ目はそのシーンに至る流れと、福岡のダブルボランチ、そして最終ラインの選手の頭の中を覗きつつ検証していきたいと思います。
相手の最終ラインの背後を取るための、比較的ベーシックな戦術として提唱されています。
この戦術に関してよくまとめられているブログを下記に貼っておきます。(便利な時代ですね)
上記ブログ内を引用させてもらうと、バックドアとは以下のような戦術になります。
2人の関係でシンプルに崩すプレーです。
※バ!: ”va”で スペイン語で「行く」の三人称単数形。”彼は裏に行く”という意味。フットサル用語。
※バックドア: バックドアカット。バスケットボール用語でゴール下へ抜ける動き。
動画では紹介していない大事なポイントをあげます。
1. パスの出し手がボールをトラップして蹴れる体勢になった瞬間
2. 受け手は軽くジャンプして着地し地面を踏み込んで裏に加速
この1と2のタイミングを合わせるプレーをバックドアと言います。このタイミングをバ!と呼ぶことにすると、イメージしやすいかもしれません。なぜこうするかというと、DFはボールホルダーがトラップした瞬間、必ずボールウォッチャーになるからです。
DFは常にOFが次にどんなプレーをするか予測します。ボールホルダーのファーストタッチのときは、ワンタッチでパスするかもしれないしトラップするかもしれません。トラップもどの方向にするかでDFの対応は変わります。ですから、トラップの瞬間にDFはボールホルダーから目が離せません。この時DFの視線を盗むようにして裏に抜けると上手くいきます。
受け手はバ!のタイミングで軽くジャンプします。理由は出し手にサインを送ることと、着地時に地面を強く踏んで急加速することと、ニュートラル姿勢を作りDFに予測をさせないことがあります。スイッチみたいなものです。
以下のyoutubeは、バックドアを動画で説明しているものです。ご参考まで。
サッカー裏を取る動き backdoor cut in football
このバックドアに似た動き、実は結構今シーズン名古屋の選手は最終ラインとの駆け引き時にやっています。
印象的なシーンを今日は1つ取り上げます。
田口泰士→青木亮太のバックドア pic.twitter.com/VDrbjehz13
— 素材 (@blog_hardworker) 2018年2月4日
<ポイント>
1.青木は田口がトラップをして蹴られる状態になった瞬間(いわゆるバ!のタイミング)に、左足を軸に地面を強く踏み込み、急加速を始める
2.青木をマークしていた亀川も、青木の踏み込みについていくことで、体重が前のめりになり、その後の青木の急加速に完全に置いていかれる(このシーンの場合、むしろ見失ってしまっていると言った方が近いかも)
3.田口は「バ!」のタイミングで裏に出すのが理想的だったが、コースが無いと判断し、1テンポ長くボールを持ってからスルーパスをしたため、青木とは合わず、加えて時間がかかったことで堤のカバーリングが間に合った
このような駆け引きが個人戦術として実装されたことも、今シーズンの青木のブレイクに繋がっているかもしれません。
アマチュア時代から、「ボールを持てば天才(宇宙人)」と評され続けてきましたが、風間監督の指導によって、いかにいい状態でボールを持つか、そのためにどういう動きをすべきかをしっかり学んでこれているように思います。
【シーン②:和泉の、相手をコーン化させるパス技術と、シャビエルの外し方】
このシーンで観ていただきたいのは、和泉の小林へのパスと、シャビエルのパスの受け方です。
ただ、この2つのプレーを伝えるためには、プレーの流れと、福岡の選手(特にダブルボランチと最終ライン)の頭の中も踏まえないと不十分だと思ったので、長めに動画を撮りました。
下記の流れに沿って、動画を観てみてください。
和泉の「出す」技術で外す、シャビエルの「受ける」技術で外す pic.twitter.com/jASqEACQqk
— 素材 (@blog_hardworker) 2018年2月4日
<流れとプレー解説>
1.福岡のGK杉山が、敵陣に位置するウェリントンをめがけてキック。
2.そのボールを結局田口が回収し、シモビッチを経由して左サイドの和泉に時間をかけずに展開。
(ポイント:両サイドのシャドーポジションにいる仲川と松田は、ウェリントンに当てたこぼれ球を拾うために前線に残っているため、本来マークすべき和泉を仲川がマークしきれていない。)
3.(33:53)遅れる仲川に代わって、ボランチの三門が駒野とダブルチームを組んで和泉をチェック。本来であれば、もう少し中央にポジションを取ってゾーンを埋めるのが仕事だが、この試合和泉がキレにキレており、一人で局面を打開するシーンが多かったため、気持ちが和泉のケアに引っ張られたのではないかと想像する
4.(33:54)カバーに追いついたもう一人のボランチ山瀬は、小林の位置を確認し、和泉→小林のパスコースを消す。本来田口には三門がついておくべきだが、上記のように仲川のサポートで和泉のケアをしているため、田口が後方でフリーに。田口に対しては、前線の誰かにマークの受け渡しの指示をしているが、多分通っていない。
5.三門と山瀬のプレーによって、和泉はプレーを遅らせられ、一度中に切り返して身体の角度を作る。(この角度の作り方が和泉は本当に上手なんです)
その過程の中で、和泉が田口の位置を確認したことを受けて、山瀬は小林へのパスコースを切った上で、後ろ(田口)に出させ、そこを前向きにインターセプトすればカウンターのカウンターを繰り出すことができると判断し、あえて和泉→田口のパスコースは開けて狙った
(山瀬の身体の向きに注目。明らかに前のめりで田口へのパスを読んでいる)
6.和泉は山瀬のプレー意図を逆手に取り、身体の正面を田口の方向に向けたまま、軸足を保って腰の回転によって小林にパスを通す。(ここが肝となるプレーです!!このパスが説明したくて、前置きの説明が長くなりました)
最終ラインは3トップにそれぞれ張り付いているため、もちろん小林のマーカーはいない。
7.最後はシャビエルのマーカーを外す動きに注目。(33:58)サイドステップを後方に踏む事で、マーカーの堤を引きつけ、かつ小林から自分へのパスコースを作る。
8.小林が前に長めのトラップをした次のタッチに合わせて、右足を軸にストップ&ゴー。(この時の左足のさばきの速さがたまりません)一気に自分が空けたインサイドのスペースに斜め侵入。堤はシャビエルに引っ張られており、対応が完全に後手に。
9. 3バック中央の冨安がシモビッチのマークを捨てて、堤のフォローのためシャビエルに寄る。それによってシモビッチがフリーとなる。あとはシャビエルのファンタジーパスでラインブレイク成功
すみません、長くなりました(笑)。ただこの和泉とシャビエルの相手の外すプレーっていうのは、そのプレーだけ切り取ってもすごさが伝わらないと思い、福岡の守備がどういう形で、何を狙っていて、それをどう利用して局面を打開したかを伝えたら、より分かってもらえると思って、周辺情報も併せて解説しました。ポイントは以下の4点です。
・和泉の、山瀬の狙いを逆手に取った身体の作り方とパス技術
・小林のピッチと、堤の対人意識を完全に頭に入れた上でのシャビエルのタイミング取りとスペース作りのためのサイドステップ
・シャビエルのstop and goのキレ(特に右足で踏ん張ってからの左足のさばき方)
・そして何より、これによって冨安が自分に対峙することでシモビッチがフリーになると予測できるアイディアとインテリジェンス、更に実際にその状況を創り出す圧倒的な技術
【まとめ】
今回は、青木、和泉、シャビエルの、相手を外す(読みの上をいく)個人戦術にスポットを当てました。
一人一人が相手の意図や狙い、癖や弱点を考えて頭に入れた上で行ったという点に価値があると思っています。
チームとして、技術も頭もより成熟させていかないとJ1では結果をなかなか出せないと予想してます。
昨日の前編と本日の後編を通じて、今シーズン、名古屋グランパスが更なる前進を遂げることを祈っています。
名古屋グランパスの攻撃を「ポジショニング」という観点から切り取る
【前置き】
今シーズンからJ1の舞台に復帰する名古屋グランパス。
昨シーズンから積み上げてきたものに、何をプラスアルファしていくべきか、個人的に色々考えていました。
おぼろげながら、自分の中で仮説みたいなものはあったのですが、なんとなくそれが確信に変わったのが、先日「Foot!」というサッカー番組の中で、私が尊敬する戸田和幸氏が行ったデブライネ特集を見てでした。
あ、こういうことかと。
ということで、今回は昨年末のJ1昇格プレーオフを題材に、対戦相手であったアビスパ福岡の守備戦略を踏まえて、名古屋グランパスの攻撃を「ポジショニング」という観点から切り取っていきたいと思います。
【ポジショナルプレーについて】
この話題になると、皆さん想起される言葉が「ポジショナルプレー」だと思います。
このブログでは定義みたいなものや、原則に対する解釈などについては取り上げません。
こちらの記事が比較的よくまとまっていると思いますので、改めて再確認ください。
ポジショナルプレーという原則の中から、今回はポジショニングということで、「位置的優位性」を主なテーマに見てみました。
一つだけ「ポジショナルプレー」について付け加えさせてもらいます。
「ポジショナルプレー」自体は原則・概念であり、それを具体的な人間とボールの動かし方に落とし込んだものが広義の「戦術」だと理解しています。
そこに落とし込む上で必要な作業として、一見抽象的な概念(現象)を言語化していく必要があります。
例えばポジショニングという切り口で言えば、「中間ポジション」「ライン間」「ハーフスペース」などがそれにあたるでしょう。
そして最も大切なのは、それらの戦術は、相手の構造的特徴を踏まえて差配されているべきだということです。
一つのボールを22人で奪い合い、繋ぎ合い、ゴールを目指すボールゲームであるというこの競技の特性上、相手の構造を無視してポジショナルプレーを落とし込むことはナンセンスである(というか不可能)というのが私の中で前提としてあります。
ということで、まずは福岡の守備戦略を踏まえ、それに対する名古屋の改善点や良かった点について、いくつかのシーンをピックアップし、最後に考察をして終わります。
【アビスパ福岡の守備戦略】
まずは福岡の守備におけるゲームプランについて簡単に振り返ります。基本布陣は3-4-2-1。名古屋とマッチアップさせてきました。
その意図も含め、私が感じ取った、この試合のアビスパの守備戦略を以下に箇条書きで示します。
・名古屋陣内では、名古屋のGK以外のフィールドプレーヤーに対してマンツーマン気味にプレッシャーをかけ、ボールをWBもしくは落ちてきたシャドーのところで後ろ向きに持たせ、それを前向きに奪ってショートカウンター。
・自陣では、5-4-1のブロックをコンパクトに形成するが、スペースなのか人なのかの管理がたまにあやふやになり、統率が取れなくなる場面がある。
・自分の背後に斜めに侵入される動きに弱いが、そこは3バックシステムを活かして、隣の選手が最終的にはカバーリングする
・自分のマーカーへの意識が強いため、ポジションを変えらえると戸惑う。
例えば敵陣での数的同数でのプレッシャーのかけ方はこんな感じです
福岡の敵陣での数的同数プレスその1 pic.twitter.com/C7ANNE2X60
— 素材 (@blog_hardworker) 2018年2月3日
福岡の敵陣での数的同数プレスその2 pic.twitter.com/ukBH66kDmD
— 素材 (@blog_hardworker) 2018年2月3日
ボールサイドとは逆にいるCB(上の動画だと、その1が櫛引、その2が宮原)は捨てて、ほぼマンツーマン気味にアプローチしているのがわかると思います。
その1の動画では、最終ラインの選手も、名古屋の3トップと2ワイドに5人ついて行っているのがわかるかと思います。
名古屋はこのシーズン、数的同数プレスに苦労するゲームが多かったです。そこには様々な理由がありますが、1つは、最終ラインの選手のビルドアップセンスがやや低いということと、プレッシャーを回避する構造的な術を持ち合わせてなかったということが挙げられると考えています。
福岡の個々の選手の対人の強さ、自分たちの長所と相手の短所を踏まえて、布陣をあえて名古屋と同じ形にして、対人ゲームに持ち込もうとしたわけです。
名古屋も名古屋で、細かく繋ぐと言うよりは、前線のシモビッチをターゲットにロンブボールでプレッシャーを回避して陣地を回復したり、裏に選手を走りこませてそこにフィードを合わせたりなど、スタイルを度外視した対策は試みますが、それも織り込み済みであった福岡優勢にゲームは90分進んで行ったという展開でしたね。
【自陣での被プレスに対する方策】
そんな中で、名古屋がそのプレスをうまく回避しかけたシーンが2つあったのでご紹介します。
小林のポジジョニングで田口へのパスコースを作り、プレスを回避しかけるシーン pic.twitter.com/hCThUIkhUe
— 素材 (@blog_hardworker) 2018年2月3日
これ、結果的にファールを受けてボールを敵陣には運べず、一見なんともないプレーに見えるんですけどね。個人的には最高だなーと思ったシーンです。
上で書いたように、福岡の敵陣での守備意識は人(自分のマーカー)です。なので自分のポジションのエリアを守るというよりは、自分の担当選手を自由にさせないことを優先しています。
なので、人についていく傾向があります。
小林はそれを逆手にとって、あえて自分のマーカー(この場面でいうと山瀬)を引き連れることで、和泉→田口のパスコースを作ります。それをおそらく小林は意図的にやってます。
動画の、前半7分12秒のシーンをよく見てください。田口と和泉の位置を首振って前もって確認してますよね。
このシーンは、和泉も田口の位置を確認してますし、田口もあえてボールサイドには近寄らず、あの位置にとどまることでパスコースを作りました。
また、福岡の守備がボールサイドに密集することもわかっているので、田口はこの位置で自分がボールを受けたら、背後の逆サイドはスペースがあることも理解しているので、あのようなターンの動きから逆サイドに速やかに展開しようとするのです。
(ワシントンがもう少し感じて、ポジションを前目にとっておけばもっとスムーズなビルドアップになったかもしれません)
もう一つ小林です。次はポジショナルプレーの原則の一つ「数的優位性」を意図的に作ることで、数的同数プレスを剥がそうとするプレーです。
小林の動きで415に可変し、フリーの選手(宮原)を作る pic.twitter.com/7yBkYlJjSZ
— 素材 (@blog_hardworker) 2018年2月3日
福岡の守備がマーカーを意識したものだということを踏まえた小林は、最終ラインにポジションを下げて、4バックでのビルドアップを試みます。
ここで、冒頭の動画を見直してみてください。
例えばボールが名古屋の中央から右サイド寄りでビルドアップを始める場合、マッチアップの形はこうなります。
ワシントンーウェリントン(シャレみたいになりましたね笑)
宮原ー松田
青木ー亀川
小林ー三門
田口ー山瀬
三門と山瀬はある程度バランスも意識していますが、基本はこんな感じですよね。
それが、小林が最終ラインに落ちた結果、守備の約束事が破綻しかけてしまいます。まず写真1
写真1
ワシントンだけでなく、松田も小林よりにポジションを取ってしまいます。ただ、この寄せが少し遅いため、小林にとってはプレッシャーにはなりません。
そして一番大事なことは、それによって、さっきまではプレスの標的になっていた宮原がフリーになれていることです。
続いて写真2
写真2
青木が大外から、ハーフスペースに斜め侵入(これをoutside-inの動きと呼んでます)し、マーカーの亀川を引き付ける。
この動きによって、より宮原がフリーになります。
そして写真3
写真3
結局小林は中央の田口へのパスを選択。その後田口は一度ワシントンにボールを下げて、素早く左サイドの櫛引に展開します。
結果はこうでしたが、でも考えてみてください。写真3を見ていただければわかるかと思いますが、シャビエルが大外レーンに張ってますよね。
青木のoutside-inの動きが、宮原→シャビエルへの縦パスコースの確保のためだと仮定したら、例えば小林がボールを持った時、シンプルに宮原に預けていれば、きっと宮原はすぐにシャビエルにボールをつけ、敵陣サイドでシャビエル起点という名古屋にとっては最も得点の匂いのする局面になったと思いませんか?
おそらく青木はハーフスペースをバスケのトレーラーレーンのごとく疾走し、相手の堤と冨安間を裏抜けするはずです。そうするとフォローに走るであろう宮原を含めた3on3もしくは3on2が作れた可能性があります。
小林の選択がより難しいものになってしまったものの、こういう形で、相手の守備戦術を受けてカオスを起こし、誰かをフリーにする。
この小林の、ボールを持たずともパスコースを作り、味方をフリーにするプレーは見事です。
この2シーンで見られたエッセンスを、小林の個人戦術だけに留めず、チームとして「ポジショニング」という概念を踏まえて構築していくことは、今シーズンも受けるであろう自陣からのハイプレッシャーに対する極めて有効な戦術になりうると考えます。
【相手陣内における方策】
第一部は小林裕紀を取り上げました。
第二部は玉田圭司です。
あえてスローにしました。まずこのシーンを「ポジショニング」という観点でご覧ください。
玉田の動きとポジジョニングによって、相手と味方とボールを全て動かす pic.twitter.com/N4BXKRRJdd
— 素材 (@blog_hardworker) 2018年2月3日
1.まずハーフスペースに落ちてボールを受け、ディフェンダーを引きつけて外の和泉をフリーにする
2.8:49 外で受け直した玉田は、縦にいる和泉に預けて、ハーフスペースへ侵入
3.2の動きによってディフェンダーを引きつけ、和泉がカットインするスペースを作る
4.再度ハーフスペースにポジションを取ることで、ディフェンスに対応を悩ませ、フォローで出てきた小林からのパスコースを確保し、リターン。玉田のポジショニングによってディフェンダーは対応が中途半端になり、結果サイドをえぐられかける
もう一つあります。
玉田の動きとポジジョニングによって、相手と味方とボールを全て動かすその2 pic.twitter.com/S8rlrjmPZ2
— 素材 (@blog_hardworker) 2018年2月3日
1.シモビッチへのフィードのこぼれ球を玉田が拾い、左サイドの和泉にパス
2.その後すぐにハーフスペースをインナーラップすることで、相手を引きつけ、和泉のカットインスペースと、シャビエルへのパスコースを確保
3.14:26玉田がシャビエルと相手のポジションを確認。その瞬間に、和泉→シャビエル→自分という絵を描き、その通りの展開になる。
漫画『ファンタジスタ』でたまにあるシーンですが、和泉のパスもシャビエルのパスも全て玉田のポジショニングとフリーランによって「出されたもの」だということに衝撃を受けます。。
つまり、玉田のポジショニングと動きによってその後のプレーが全て規定されています。ボールを持っても一流ですが、持っていない時も一流です。
ポイントは、ただ闇雲に走ったり、位置しているのではきっとないという点にあります。相手のディフェンスが人への意識が強く、背後のケア(とりわけ斜めに入ってくる人やボールへの対処)に難があることを察知していたはずです。
【独り言】
今日取り上げたのはほんの一部のシーンに過ぎません。そして全てのシーンがいいフィニッシュであったり、形、結果には繋がってはいません。こうしたオフザボールの考え方を取り入れながら個々のプレー精度を上げていくことが重要なのではないでしょうか。
ただ、相手の構造、特徴に沿った、ポジショニングや数的優位を意識した動きを意識するだけで、局面を打開するきっかけを意外と簡単に作ることができるんじゃないか?という提案です。
昨年1年間で築いてきた個人戦術とその融合は、確かな財産として今シーズンも大切にしていくべきだと思います。
その個人戦術を、相手の構造的特徴や欠陥を踏まえた上で、チームとして適材適所で展開すれば、もっとゲームを支配することができるんじゃないかと思います。
それらをもっと効果的なものにするためにも、今回はボールを触っていない選手の「ポジショニング」という観点から検証、提案させてもらいました。
蘇生
早いもので2017年も終わりを迎えようとしています。
みなさん、色々あったでしょう。
私も色々ありましたよ。
いいこともあれば、悪いことも。
前に進めたと思えたこともあれば、後退してるような気も。
私は、昇格プレーオフについては、気持ちを表現するのをためらっていました。
名古屋グランパスにとって、今年は激動の1年だったでしょうし、その集大成となったあの死闘を、簡単に振り返ることは自分の心が許さなかったという気持ちもあります。
それだけ、あの試合は私にとって価値のある試合でした。
ただ、今回あの試合を現地で観戦し、感じたことに整理をつけることができました。
その気持ちを2度と忘れないよう、このブログは、年の瀬に、来年2018年12月24日の自分に対する備忘録として書きました。
以下は、そんな内容になっています。
多分これは私だけではなく、多くの日本人がそうだと思うのですが
元日に初詣に行きますよね。
そこで大体皆その年の抱負を心の中で語り、決意し、仏様や神様に宣言することと思います。書初めも同じような目的かもしれませんね。
中には、1年の目標を形に残したり、目標達成のためのスケジューリングをしたりする意欲的な人もいるでしょう。
何が言いたいかというと
果たして1月1日に胸に誓った、仏や神に宣言した目標をどれだけ達成していますか?(そもそも、そのための努力は、そこからの365日間絶え間無く続けることができましたか?)
私は毎年1月1日に思い知らされます。「全く何もしなかった1年だったな…」ということを。
私にとって、元日というのはその年の目標を定めたり、前を向くための1日ではなく、何もしてこなかった前年を悔やむ日になってしまっていました。
そして、そのことに気付きながらも、代わり映えのない1年、仕事に追われる1年、やりたいことよりもやるべきことに縛られる1年、自分の現在地を自分自身によって突きつけられるのです。
私たちは、大人になるにつれて、言い訳を身に纏うようになります
誰だって、こうありたいという想いはあるはず。ただ、そこに様々な言い訳を固めていき、自分自身を現状に満足させてしまう。
元日をきっかけにしている時点で、既にもう遅いということに中々気付けない。
私は1年、名古屋グランパスの選手たちに何を教わってきたのだろうか。
それは、現状に満足せず、常に危機感を持ち、在りたい自分と在るべき自分の狭間で、必死でもがこうとする姿じゃないか。
彼らも、私と同様に結果を求められる仕事ですが、その求められるプレッシャーは私の比ではないです。
自分の人生だけでなく、家族やチームスタッフ、チームメイトとその家族の人生を、ホームタウンの将来を懸けて、90分間で表現するという難しさは想像を絶します。
彼らは現状維持ではダメなのです。年齢や衰え、敵の成長に対して、相対的に上回らないといけない。そしてそれを結果で示さなければならない。
そのために、我々の知らないところで毎日血の滲むような努力と、胃に穴があきそうなプレッシャーと戦っているのです。
そんな彼らの「答え」をいつもスタジアムで、テレビの前でもらっているのにもかかわらず、自分はいつまで経っても1月1日、仏の前でいつもと変わらない後悔を胸に抱き、また同じような1年の最初の一歩を踏み出すの?
2018年を良い年にするためには、思い立った今(2017年12月24日)から変わらなければ遅い。
自分は今から行動を起こします。このブログを読んで、もし同じようなモヤモヤや悩みを抱いていらっしゃる方がもしいれば、一緒に行動を起こしませんか?
ベビーステップでも構わない。まず行動を起こしましょう。今。一緒に。
2017年12月3日、豊田スタジアムで彼らが私に見せてくれた、示してくれた、教えてくれたものを絶対に無駄にはしたくありません。
田口泰士選手の試合後の涙の意味を、自分はもっともっと考えないといけない。
今度は自分が彼らに恩を返す番です。
これが、私のJ1昇格プレーオフに対する感想です。
フットボールは、本当に色々なことを教えてくれる。プレーしていても、していなくても。
今の等身大の自分を示してくれるのです。
名古屋グランパスというチームと、フットボールというスポーツと出会えた価値を、自分自身が最大化していかないといけない。
そう私に強く思わせてくれました。あの試合は。
名古屋グランパスに恥ずかしくない自分になっているかどうか、来年の12月24日の自分が今から楽しみです。
「叶いもしない夢を見るのはもう、やめにすることにしたんだから。
今度はこの冴えない現実を、夢みたいに塗り替えれば良いさ。
何度でも、何度でも、僕は生まれ変わっていける。
そしていつか、捨ててきた夢の続きを。」
初めてのJ2紀行(食重視のアウェイ遠征)
【前置き】
もうご存知だと思いますが、私は長らく名古屋グランパスのファンをしています。
今シーズンは初めてのJ2リーグ参戦ということで、それならそれで一ファンとしてとことん楽しんでやろうと。
ということで、スケジュールと財布事情を鑑みつつ、できるだけいったことのない場所、あるいは行きたかった場所をいくつか選んで、行きました。
アウェイ遠征の醍醐味は、その土地の観光ですよね。観光地巡りや食事、その土地の方との触れ合いなどなど。
そうした醍醐味が少しでも伝わるといいなと思いますし、大変微力ながら、その土地の魅力が少しでも伝わるといいと思い、まとめて見ました。
【3月11日 vsジェフユナイテッド市原・千葉】
ジェフのホームである、フクダ電子アリーナに行くのは何年振りだったか、、というくらい久々のフクアリでした。
前回はJRで最寄りの蘇我駅まで行った記憶がありますが、今回は車で。
スタジアムに一番近い駐車場(第3駐車場)は前売りでの販売のみですから、事前に駐車券を購入しておくとベターです。
当日駐車できるエリアはまた別のところになります。
駐車場案内について | 観戦について | ジェフユナイテッド市原・千葉 公式ウェブサイト
確か試合前には、スタジアム前にあるすた丼やですた丼を食べた気がします。
あと、スタジアム外のDJさんに声かけたら気持ちよく反応していただきました。
スタジアム内は相変わらず見やすく、快適に試合を観戦することができました。
今シーズンの千葉の象徴であった、「ハイプレス・ハイライン戦術」の被害者の一人、線審。
この日はサッカーだけ見て、すぐ帰ったので、千葉での思い出はそんなにありません。
首都高湾岸線を通った時に、ディズニーランドを横目に見ながらドライブできたことくらいですかね。千葉らしさを感じたのは。
【4月29日 対ザスパクサツ群馬】
群馬は、上越新幹線や長野新幹線、北陸新幹線に乗った時に通り過ぎただけで、目的を持って訪れたことはなかったので、これは一度行かなあかんということで行きました。
この試合も車で行きました。
その日のスケジュールですが、以下の通りです。
群馬のことはあまり詳しくないですが、群馬は温泉王国だと思うので、我々は伊香保温泉をセレクトしましたが、ここが例えば草津温泉であってもいいでしょうし、四万温泉や水上温泉などでも全然問題ないと思います。
富岡製糸場は、ゴールデンウィークの初日と言う割には、意外と観光客は少ないなぁという印象でした。
近くに市営の駐車場がたくさんあるので、車での観光にも適していると思います。
また、駐車場エリアにはおみやげ屋さんや飲食店も並んでいる城下町っぽい街並みがあります。買い物系にも困りません。
その後、車を走らせて伊香保温泉へ。
なぜ伊香保温泉を選んだかというと、富岡製糸場とスタジアムの道途中にあるからです。
しっかり時間が作れたら(例えばその日群馬に泊まるとか)、翌日草津温泉を訪れたいと思ってましたが、それはスケジュール上無理でした。
伊香保温泉、ご存知の通り、群馬県渋川市にある、草津温泉と並んで群馬県を代表する人気温泉地です。
温泉街の中心には石段街と呼ばれるエリアがあり、石段の両脇に飲食店や旅館、おみやげ屋さんが並んでいます。
石段を登りきった場所から望む景色も抜群です。
ここで昼食をとりました。メニューは、「温泉街ってソバっぽくね?」ってことで石段街にある蕎麦屋さんで蕎麦を食べました。
温泉は、日帰り入浴施設 石段の湯に行きました。
2階で昼寝もできるので、休憩にも便利です。タオルも売ってました。
たっぷり休憩した後、ザスパのホームスタジアムである正田醤油スタジアム群馬へ。
市営の近隣駐車場を利用するか、シャトルバスを利用して行くのがスタンダードのようです。
なぜか我々はスタジアム内の駐車場を警備員から誘導され、かなり恵まれたポジションに駐車することができました。
周りに名古屋サポーターと思しき車がたくさん停まっていたのでその時は気にもとめませんでしたが、多分停めちゃダメなのかも・・・(笑)
ちなみにちょっと早めに着いてしまったので、車で1本DVDを観ました。
なかなか面白かったです。
車での長距離遠征の際には、映画を持って行くといいかもしれません。
スタジアム自体は、陸上競技場をベースとしており、私が観戦したゴール裏エリアは立ち見が基本でした。
試合前には、ザスパのマスコットである湯友君とも写真が撮れました。かなりリアルな顔をしてました。
4月下旬でしたが、ナイトゲームは結構冷えました。
【5月7日 vsモンテディオ山形】
車で1時間くらいで行けてしまうので、モンテディオの試合には結構行きます。
スタジアムは県庁所在地である山形市の隣の天童市というところにある総合公園内にあります。
天童市は、温泉と将棋の駒で有名で、将棋イベントも結構開かれています。
天童にお越しの際には、是非行ってもらいたいお店があります。
それがここです。
B級グルメとして有名な「鳥中華」が絶品です。是非一度行ってみてください。
スタジアムは山形駅か天童駅からシャトルバスが出ていますし、車でも行きやすいです。
最寄りの天童南駅からは徒歩でも行けるようです。(私は行ったことがありません)
相手が浦和戦であっても満車にならない程度、駐車場は広いです。
スタジアム自体は陸上競技場で、メインスタンドの一部以外は屋根がないので、雨や雪の日は辛いです。
また、アウェイゲートがかなり離れたところにあるので、アウェイ観戦の際はそこにも注意です。
アウェイゲートと離れた広場にスタジアムグルメのエリアがあります。
かなりメニューが豊富なので、食事はスタジアムで取るのもいいのではないでしょうか。
晴れている日は、遠くに見える出羽の山々の景色も見事です。
ちなみにこの日はスコアレスドローだったのですが、今シーズンの名古屋のスコアレスドローは、この山形戦と、昇格プレーオフ決勝のたった2試合だったそうです。
どっちも現地で観ている私は果たして負け組か、勝ち組か・・・
【5月21日 vs愛媛FC】
愛媛にはプライベートで何度も訪れたことがある場所なので、グランパスの試合で行くのはなんだか新鮮な気分でした。
スケジュールは
初日:松山市駅付近の鯛めし屋さんで昼食→シャトルバスでスタジアムへ→市内のお寿司屋さん
もちろん行ったことはあるのですが、今回は宇和島に行きたかったのでパスしました。
松山城は是非ロープウェイに乗ってください。
夏場であれば、道後温泉本館の横にある地ビールのお店で、地ビールをテイクアウトして、温泉街を散歩しながら飲むのも一興です。
ということでホームスタジアムであるニンジニアスタジアムへ。
愛媛FCはマスコットキャラクターが豊富で、しかもそれぞれがかなりシュールで人気を博しています。
たまたま全キャラ揃っていたので、写真が撮れました。
スタジアム自体は、これまた陸上競技場です。
山形と同じで、自然の中にある感じでのどかな感じです。
スタジアム後は、こちらのお店でお寿司をいただきました。
知人の紹介だったのですが、熱狂的阪神ファンの大将と女将さんに温かく迎えていただき、美味しいお寿司をいただきました。
翌日は車で宇和島城へ。
元々町並み全体が海だったということもあり、独特な地形をしています。
城はシンプルな作りでした。
その後、松山空港に帰る途中に、どうしても行きたいところがあり、寄りました。
予讃線は瀬戸内海沿いを走る沿線で、この下灘駅から眺める景色が最高なのです。
映画やドラマのロケ地としてもしばしば使われているようです。
私が初めて行ったのは5年前くらいでして、その頃は全然観光客はいなかったのですが、今は存在がバレたのか、観光客が結構いました。
今は、「下灘ものがたり」というツアーをJR四国がやっているくらいです。
この赤い列車が先ほどリンクを貼ったツアートレインです。(車内業務のお姉さんが綺麗でした)
下灘駅はこういう青空と青い海も最高ですけど、何より夕焼けの景色がたまりません。
興味を持たれた方、是非夕暮れに行ってみてください。あえて写真は貼りません。ご自身の目でお確かめを!!
ということで、中々いい愛媛の旅ができました。
【6月10日 vs東京ヴェルディ】
味の素スタジアムは、東京にあるスタジアムなので、観光とかそういう気分ではなく、普通にサッカー見に行った感じです。
最寄駅は、京王線飛田給駅から徒歩5〜10分くらいでしょうか。
駅から一本道(スタジアム通りと言うらしいです)なので、わかりやすいです。
昨日まで日本代表が戦っていたスタジアムですね。
屋根で覆われていて、観戦時のQOLは確保されます。また、トラックがある割には見やすいイメージが個人的にはあります。
この日は記者席の隣で見てたんですが、俊哉さんと素さんがいらっしゃいました!!(奥にいらっしゃる男前は下村さんですね。)
ちなみに、素さんは来シーズンからグランパスに育成責任者として戻ってきてくれます!!
ちなみにこのヴェルディ戦は私のこのブログの処女作でもあります。
hardworkers2011.hatenablog.com
味スタは一昨年のJ1昇格プレーオフ決勝、千葉vs山形を観に行って以来でしたね。
【6月17日 vsアビスパ福岡】
福岡は仕事でもプライベートでも、そしてグランパスでも何度も訪れている場所です。
前回グランパスで来たのは、昨年4月、熊本地震で中止になった時と、夏の鳥栖戦の時ですかね。
今回は食(と言うか酒)メインでしたので、そういう内容の紹介になります。
観光地ってあんまりないんですよね。太宰府天満宮とか?くらいですかね。
街は、耳をすますと中国語と韓国語が聞こえてくるくらい、東アジアからの観光客が多いです。
ホームスタジアムであるレベルファイブスタジアムは、最寄りが空港という、全国でも珍しい場所にあります。(パナソニックスタジアムも言っちゃえばそうか)
ただ、福岡空港はかなり街中にあるので、その後街に出たりするのにも便利な場所にあります。
ただ、元々博多の森球技場という名前だったこともあり、周りは木々に囲まれています。本当に福岡市なん!?っていう。
ここはサッカー専用スタジアムなのでトラックがなく、ピッチと観客席との距離が近く、臨場感のある楽しみ方ができます。
福岡といえば、多くの名品がありますよね。水炊き、もつ鍋、焼き鳥、明太子(綺麗な女性)、、、
挙げるとキリがないのですが、私は必ずと言っていいほど、福岡にきたら行く場所があります。
それは、屋台です!!
これも福岡を代表する文化の一つですよね。
実は、屋台は大きく分けて2つのエリアに位置しています。
一番有名なのが、中洲エリア。あの川ぞいにズラーっと並んでるところです。
他には天神エリア(大通り沿いに点々と並んでいます)。
それぞれいつも行くお店があるのですが、この日に行ったのは、中洲エリアにある「ひでちゃん」ラーメンが美味しいです。
あと天神エリアでいつも行くのが、「ともちゃん」。天神のゴールドジムの前にあります。
牛サガリ、巻貝が絶品。(もちろんラーメンも)
屋台で注意していただきたいのが、会計です。
美味しいし、外で食べて飲むということで開放的な気分になって我を忘れてしまいますが、意外と食べてます。気をつけてください笑
福岡はやっぱり夜が楽しいです。
【7月22日 vs京都サンガ】
私は京都で大学生活を送りましたので、京都は第二の故郷だと思っています。
なので、グランパスの試合が無くても、1年に2、3回は京都に行って旧友やお世話になった方々と会うことにしています。
この日は、観光はせずとにかく飯を食いまくりました(またか)
学生時代から、京都のラーメン屋巡りを趣味にしており、4年間で相当回りました。それだけでブログ書けるくらいですが・・・
あ、こんなブログがありました。誰が書いたんでしょうねぇ。。。
もう三つ目のAnother Story 私が食した京都ラーメン図鑑
今回は以下の店に行きました。みなさん是非京都遠征の際には、神社仏閣だけでなく、ラーメン屋さんにも行ってみてください。
まず毎回お邪魔するつけ麺屋さん。すがり
https://tabelog.com/kyoto/A2601/A260201/26006820/
そして私が学生時代週1で通いつめた青春のお店、いいちょ
https://tabelog.com/kyoto/A2601/A260503/26000384/
あともういっちょ。つけめんやさん。「麺屋 高倉二条」
すがりと似てます。すがりが、ここの系列店という位置付けですね。元祖はこっちです。
https://tabelog.com/kyoto/A2601/A260202/26003182/
あ、麺のこと書いてたらスタジアムについて書くのを忘れていました。
サンガのホームスタジアムである西京極スタジアムですが、こちらもアクセス抜群。
阪急西京極駅から直結です。
が、西京極駅は敷地内でいうと、野球場に近い位置にあり、サッカースタジアムは反対側に位置しているので、直結とはいえ結構歩くと時間かかるのでここ要注意です。
スタジアムは陸上競技場で、お世辞にもいいスタジアムとはいえません。
現在亀岡市にサッカー専用スタジアムを建設中?のようですね。
亀岡駅もJRで京都駅から1本なのでアクセスはそんなに悪くはなさそうです。
私が学生時代は、ホーム側とアウェイ側が逆だった記憶があります。
あと、もう一つ。夏に西京極に行かれる際に気をつけないといけない敵が2つ。
スコールと羽虫です。
この日はどちらにも襲われました。気をつけてと言っても対策のしようがないのですが、気をつけてください。
【8月16日 vs町田ゼルビア】
この日は町田駅近辺のビジネスホテルを取っていました。
町田なので、観光ということはないのですが、まぁサッカー観に行った感じです。
アクセスはお世辞にも良いとはいえません。
クラブとしては、町田駅から出ているシャトルバスや、路線バスの利用を勧めているようです。
シャトルバスであれば、スタジアム近辺に降ろしてくれるのですが、路線バスで「野津田車庫」行きに乗ってしまうと、そこから地獄のハイキングが待っています。。
野津田車庫っていうのが、スタジアムがあるエリアの外というか、麓にありまして、山の中の小道をかき分けてスタジアムまで歩かないといけません。
全く急な山道とかそういうわけではないですけど、雨が降った日や夏の日は辛いですね。
このyoutubeが最高にわかりやすいです。
スタジアムは、今回も陸上競技場です。
スタジアムグルメがなかなか豊富でした。
コンコースが広く、コンコース内にも売店があるので、雨の日とかはコンコースで宴会できます。
この日は雨が降ってたので、コンコースでずっと飲んでました。笑
町田のマスコットキャラクターであるゼルビーくんとも写真が撮れました。
試合はガブリエル・シャビエルの劇的FKで勝ちました。
【9月17日 vsツエーゲン金沢】
さて、最後の紀行です。金沢はプライベートでしか行ったことがなく、観光もそこまでしたことがなかったので、非常に楽しみにしていました。
この時は三連休だったのですが、台風が北陸に近づいてきていて、試合開催が危ぶまれましたが、全然大丈夫でした。
金沢は、観光地が金沢駅周辺に集中しているので、観光がスムーズにしやすい印象があります。
移動手段は路線バスです。
行き先や路線がわかりやすく表示してあるので、ストレスなく観光を楽しむことができました。
旅程は以下の通りです。完全に王道コースですね。
3日目:金沢城
兼六園と美術館は観光客がかなり多かったですね。
しかも、この連休は、金沢市の計らいで、グランパスサポーターは入場券等が割引になるサービスをしていただいていました。おもてなしがすばらしかった。
二日目に行ったお寿司屋さんが美味しかったです。
https://tabelog.com/ishikawa/A1701/A170101/17002412/
と、またスタジアムのことについて書くのを忘れていました。
ホームスタジアムは、金沢駅から路線バスが出ています。(いわゆる都会側である東口ではなく、西口側です。お間違えなく)
陸上競技場で、雨も凌げない構造です。台風が近づいてきていたので、雨具を用具していきましたが、我々が観戦している間は降りませんでした。
マスコットキャラクターはゲンゾーと言います。結構人気があります。
また、暗黒面のキャラ、ヤサガラスという謎のマスコットもいます。厳しいことを言う割には、快く写真は撮ってくれました。(笑)
あと、ゲンゾイヤーという、悪からツエーゲンを守るヒーローもいるのですが、この日は残念ながら写真が撮れませんでした。
また、この日は地元で活動されているアーティスト、森田観光さんのライブが試合前に外の広場で行われていました。
曲も良くて、トークも面白い方だったので、ぜひ記念に!と言うことでお願いをして、写真を撮ってもらいました。
森田観光さんのブログはこちらです。
ちなみに、この日のことをブログに書いてもらってます!!
2017年09月19日のブログ|森田観光オフィシャルブログ 「きゃあ、でん?」
試合後は、金沢名物の一つであるおでんをいただきました。
金沢駅は、立派になっていました。
試合はどうだったかって??忘れましたよ。昇格できたからいいんです。
【まとめ】
と言うことで、長くなりましたが、今シーズン訪れたアウェイゲームの遠征についてまとめてみました。
言いたいことは、サッカーはついででいいと言うことですよね。
僕にとってはもはやグランパスの試合があることは、遠征するための言い訳でしかないです。
その街の人や食べ物、雰囲気を肌で感じることで、少なくとも自分は人間としての幅を広げられている気がします。
こうした出会いや経験は、仕事で生きなくても、どこかできっと自分の財産になってくれると思います。
旅の参考になったなら幸いです。
それではまた!